まるで冒険!ランクル最強・新型「70」で1200km…吹雪の東北で納得した揺るぎない安心感 街中、高速、峠での走り味
■ 雪道を四駆走行、走り味は? 一夜明け、東北中央自動車道をさらに北上し、山形JCTから山形自動車道路に入る。 視界の前方には、出羽三山のひとつ月山(がっさん)があり、道路脇には雪が目立つようになるが、気温は3度で路面に雪はほとんどなく走りやすい。 月山ICで山形自動車道路は終点となるため、国道112号線をしばらく走る。 湯殿山ICから、庄内内陸月山連絡道路を通り、鶴岡JCTで日本海東北自動車道と合流。 「おいしい庄内空港」を過ぎると、江戸時代から商業港として名高い酒田市に到着した。 都心から酒田市内まで約500kmを走ったが、運転による疲れは決して大きくなく、快適な旅路である。 そこから2日間は庄内地方各所を巡ったが、雪はほとんど降らなかった。 庄内地方からの帰路は、途中で那須高原を目指す。行程としては、往路を戻るのだが、日本海側には山陰、北陸、そして東北にかけて上空に強い寒気が押し寄せ、各地で降雪量が一気に増えた。 酒田市内の午前9時過ぎから気温が下がり、みぞれ交じりの雨となった。 湯殿山ICに向かう途中で高速道路上は雪で覆われ、今後は四輪駆動(H4)で走行した。 するとハンドリングがややがっしり感が出るが、ハンドルが重くなったというネガティブな印象はない。ハンドル操作感のゆるさと雪上でのクルマの動きがマッチしており、ドライバーとしての安心感がある。 湯殿山ICから月山に向かう国道112号線は吹雪となった。前方の視界は20m程度。ホワイトアウトというほどではないが、かなり慎重な運転が必要な状況だと感じた。
■ 70は相棒と呼ぶにふさわしい なんとか峠を越えて、山形自動車道で一旦天気は安定したものの、東北中央自動車道での米沢付近でも吹雪、さらに東北自動車道に入っても白河周辺でまたも吹雪となった。 それでも、四輪駆動(H4)での70での走行は、ドライバーとしての安心感が極めて高く、酒田市から那須高原までの約300kmの旅路での疲れもほどほどで済んだ。 最終日、天候は晴れだが、各種ニュースでは「ホンダ・日産・三菱自動車による経営統合」が大きな話題となり、移動中に関連する記者会見が都内で開催されるという通知が、3メーカーから筆者にメールで届いた。 そのため、当初予定を変更して、70で東京駅周辺に向かって進んでいった。 こうして合計約1200kmの道のりを共にした、ランクル70。 大きさ感やハンドリングにもすっかり慣れて、まさに相棒といった関係が築けたと感じる。 トヨタ本社が公表している、70の月販基準台数は400台。生産工場は、トヨタ車体の吉原工場で、価格は480万円だ。 最後に、トヨタのランドクルーザーに対する商品性への考え方を記しておく。 ~1951年の誕生以来、ランドクルーザーは、このクルマだからこそ行き来できる場所での人の命や暮らしを支えてきた。「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」を思想に開発してきた~ 世界各地で、70は高い信頼のもと、活躍している。 桃田 健史(ももた・けんじ) 日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。 ◎Wikipedia
桃田 健史