アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
かつて日本に導入された頃の韓国車とは違う
前回レポートしたMKタクシー取材を通じて感じたのは、長期レポートの先に待っている安心だ。正直に書けば、『ヒュンダイ』としてかつて日本に導入された頃の韓国車は、やはりクオリティに難ありであった。取材していても品質感が安っぽく、当時個人タクシーで乗った記憶もあるが、乗り心地がイマイチだった。 【写真】デザインが素晴らしいヒョンデ・アイオニック5 (10枚) しかし、8月からアイオニック5の長期レポートを担当し、新車を見る限りそのクオリティは世界レベルであることを実感していたものの、長期間使用したあとの耐久性やトラブルは検証できないので、実際にどうなのかは気になっていた。だから2年間使い倒したタクシーの現場で合格点を与えられていることは、今後ひとつの評価軸になると思っている。 さて既にレポートされているように、アイオニック5はマイナーチェンジを受けたため、レポート車は返却することになった。実は少し前から次期レポート車として同じヒョンデのコナが入れ替えでやってきており、ナンバー9409のアイオニック5レポートはこれが最後となる。
アイオニック5の気になったところ
レポートして気になったところを記しておこう。一番は、コーナリング中にレーンキープアシストでステアリングを戻す動きが不自然で、最後まで慣れなかったことだ。デフォルトでオフにできず(もしくはやり方がわからず)、毎回ステアリングにあるスイッチでオフにするのが煩わしかった。 あとは密閉性が高すぎるのか、室内の気圧が高いように感じることだ。長距離乗っていると窓を開けたくなる場面が幾度となくあった。このあたりは個人的な感覚かもしれないが……。 ほかはリアにワイパーがない、センターコンソールのスイッチにホームボタンが欲しい、ステアリングが2本スポークで上下がわかりにくいと、取材メモには記してあるが、マイチェンで全て解消されていたので、ユーザーからも同じ声があったのだろう。 しかしながらトータルで見て、アイオニック5は人に薦められるクルマといえた。韓国車というよりはグローバルカーで、1974年のポニー・クーペをモチーフに2019年に発表されたアイオニック5のデザインはやはり素晴らしい。全体的に肩の力が抜けていて、長距離移動が楽な、癒しのクルマだと感じていた。室内の広さもアドバンテージだ。