日本人ライダーで参戦するチーム・エトワールに期待! | FIM 世界耐久選手権(EWC) 2024 第2戦 スパ・フランコルシャン8時間耐久ロードレース プレビュー
しかし、夜明け前の16時間経過を迎える直前にトップを走行する「YART YAMAHA」(ヤマハ)が転倒。序盤の転倒で優勝から遠ざかったかに見えていた「Yoshimura SERT Motul」(スズキ)がトップを奪い、淡々と2位を走行していた「BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM」(BMW)に1周差をつけて逃げ切り優勝を果たしました。転倒しても諦めずにトップを奪いにいく、まさに24時間耐久レースのスピリットに溢れた「Yoshimura SERT Motul」(スズキ)の優勝でした。
「Yoshimura SERT Motul」は今年、MotoGPのテストライダーなど長年スズキを支えたシルヴァン・ギュントーリが離脱して「BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM」に移籍。戦力的には厳しくなったところに、昨年の鈴鹿8耐に「オートレース宇部 Racing Team」から出場して高評価を得たダン・リンフットを加入させました。昨年の鈴鹿でも安定した走りを披露したリンフットの活躍はかなり大きかったと思います。スズキがワークス活動を行なっていないためメーカー側からのアップデートが無い状態。苦境の中、さらに有力ライダーを欠くという事態を見事に救いました。
一方で、ライダー編成を変えずに挑んだ「F.C.C. TSR Honda France」でしたが、マシンのダメージを修復できずにリタイア。僅か5点の獲得に留まり、ランキング11位に沈んでしまいました。もうここから8時間レース2つ、そして最終戦のボルドール24時間で表彰台を狙う位置に常にいないとシリーズチャンピオンは厳しい状態に追い込まれたのです。
ランキング首位は「Yoshimura SERT Motul」(スズキ)=61点、2位に「YART YAMAHA」(ヤマハ)=52点、3位に「BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM」(BMW)=51点と開幕戦のル・マンを終えた時点では割とポイント差が少ない状態です。上位3チームにとってスパ8時間は非常に重要。スプリント耐久的なレースの中、ハイペースで走行し優勝を狙ってくることでしょう。ドライコンディションであれば、日本のブリヂストンを履く「Yoshimura SERT Motul」、「YART YAMAHA」、そして「F.C.C. TSR Honda France」が優勢でしょう。