村上宗隆も山川穂高も指摘した「飛ばないボール問題」その真相を選手に直撃! 多くの打者が証言した感覚とは…なぜここまで本塁打が減るのか?
今季の開幕直後から「ボールが飛ばない」という話を何人かの選手から聞いた。中でもヤクルト・村上宗隆内野手が「打球速度と飛距離が比例していない感覚がある」と指摘、中日・立浪和義監督も「明らかにボールが飛ばない」とコメントするなどして、一気に“飛ばないボール問題”がクローズアップされたのは記憶に新しいところだ。 【貴重写真】「大谷17歳ガリガリなのに…」衝撃の特大HR!ぷっくり捕手な村上17、ヤンチャそうな学ラン姿の張本、実は投手だった王さん…名選手140人超の高校時代を見る ところが5月に入ると、当の村上が本塁打を量産しだし、徐々に“飛ばないボール問題”が話題となることもなくなっていた。 しかも米国からDeNAに復帰した筒香嘉智外野手に聞くと「日本のボールはめっちゃ飛びます。びっくりしました」と語っていたこともあり、すっかり“飛ばないボール問題”は収束したような感じとなった。実際、選手からもあまりその話題を聞かなくなっていた。 ただ気になることがある。 交流戦での本塁打数が去年に比べても大幅に減少しているのである。 今季の交流戦全108試合での総本塁打数は、昨年の156本(1試合平均1.444本)から111本(同1.027本)と45本も減っているのである。 しかも111本塁打のうち23本は日本ハムの本拠地であるエスコンフィールド北海道で行われた9試合で飛び出したものだ。同球場は中堅121mながら左翼97m、右翼99mで膨らみもなく、外野フェンスの高さも大部分が2・8mと、本拠地使用していた札幌ドームに比べると、かなりミニチュア感のある球場である。そこで行われた9試合で全体の約5分の1の本塁打が量産されてのこの総本数である。同規模のスタジアムでその9試合が行われていれば、さらに本塁打数は減少していた、と考えるのが妥当だろう。 やはりボールは昨年に比べて飛んでいない。 この数字を見る限り、そう結論づけてもいいように思ったのである。
選手に質問「ボールが飛ばない感覚はあるのか?」
そこで何人かの選手に「まだボールが飛ばない感覚はあるのか?」と質問してみた(質問した選手はいずれもセ・リーグ球団に所属する選手で、何人かは匿名で証言してくれたので、一応、全てを匿名で紹介する)。 「やっぱりまだボールが飛ばない感覚はあります。交流戦でも『いった』と思った打球が失速する。守っていても、打球が意外と伸びなくて塀ぎわで落ちてくることが何度もあった」(外野手A選手) 「僕はそんな大きいのを打つバッターではないので、打席ではあまり実感はありませんが、(投手のボールを)受けていて、ときどき思ったより飛んでないなと感じることはあります」(捕手B選手) 「いまも当たった感じの割に飛んでいないなというのはありますね。ただ、きっちり捕えた打球はスタンドまでいく。ちょっと詰まった感じの打球が極端に飛んでいないことがあります」(外野手C選手) 「相変わらずいまも飛んでないですね。コーチスボックスで『行った! 』と思った打球が思ったより飛んでいなかったり、外野を抜けたと思った打球が、捕球されてしまうケースもあります」(三塁コーチャーを務めるDコーチ) 打者の多くはいまだに「ボールが飛ばない」感覚があるという証言をしている。
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