173cmの長身でも「“モデル体型”じゃダメなんです」…「悔しい」日本選手権3連覇で走高跳・高橋渚(24歳)が見せた“成長と課題”
3連覇の偉業達成後でも、そこに弾ける笑顔はなかった。 新潟で行われている陸上競技の日本選手権。女子走高跳で優勝したのは高橋渚(センコー)だ。1m75cm、1m78cm、1m81cmの試技を1発クリアし、この時点で日本一を決めた。1m84cm、1m87cmもノーミスで、目標に掲げていた1m90cmの大台へ挑戦。だが、この高さは3回とも失敗となった。 【写真】「えっ、何頭身なの…?」“フェアリージャンパー”高橋渚(24歳)の長~い手足とバキバキの腹筋。試合での迫力の跳躍姿に、大学時代の姿も…この記事の写真を見る。(50枚超) 2位に入った津田シェリアイ(築地銀だこ)の記録が1m78cmということを考えれば、中盤以降の跳躍は一人旅となる圧勝劇だった。 だが、試合後に目を潤ませた高橋の口を衝いたのは、悔しさばかりだった。 「絶対に1m90cmを跳びたかったんですけど……やっぱり跳びたい気持ちが大きすぎて。それがなくならない限りは、まだダメなんでしょうね。跳びたい気持ちが強すぎると突っ込んじゃうんで、そのために助走も調整したりはしたんですけど」 現在、日本の女子走高跳という競技は停滞期にあると言っていい。 日本記録は20年以上前の2001年に記録された1m96cmのまま凍り付き、女子陸上競技の主要種目では日本最古の記録となっている。最後に日本人選手が1m90cmの大台を跳んだのも、実に11年前まで遡る。それだけに、高橋は日本の第一人者として忸怩たる思いを抱えていた。
パリに必要だった「1m90cmを跳んで優勝」
加えて今回は、パリ五輪への世界ランキングでの出場もかかっていた。 獲得ポイントの関係で、今回の日本選手権で「1m90cmを跳んで優勝」できれば、出場圏内となる32位以内のランキング順位まで上がることができる計算だった。 「今年は(世界ランキングのためのポイントが獲得できる)海外の大会にもたくさん挑戦させてもらって、パリ五輪を意識しての取り組みを続けてきました。それだけに、ここで跳べなかったのは悔しいです。そこまで一度もミスなく跳べてきていて、しかも『ハマる』ほどではなかっただけに、『1m90cmでいけるんじゃないか』という気持ちだったんですけど……力にできなかったです」 一方で、今季ここまで高橋の安定感は日本のトップジャンパーの中でも群を抜いていた。 2月に自己ベストとなる1m87cmを成功させると、その後の大会でも安定して1m80cm台の後半をマーク。5月の静岡国際では自己記録をさらに更新する1m88cmの跳躍にも成功していた。特筆すべきは、その安定感を慣れない環境の海外大会でも崩れることなく発揮し続けていたことだ。 今季、海外の大会への参加を増やした背景にあったのは、同世代の選手たちの活躍だ。本人は昨年、こんな風に語っていた。 「ブダペスト世界陸上で金メダルを獲ったやり投げの北口(榛花)さんや、アジア選手権で優勝した走幅跳の秦(澄美鈴)さんとか、日本の女子選手から世界でもトップクラスの記録が出てきている。やっぱりダイヤモンドリーグとか世界最高峰の舞台で戦う経験値をどんどん貯めていることが大きい。走高跳でも海外の大会に出られれば、ハイレベルな記録で競える機会もどんどん増えると思うので」
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