没頭し最高の能力が発揮できる「フロー状態」、燃え尽きずにうまく乗りこなす方法
情熱はモチベーションや満足感の高まりと結びついていることが多いが、バランスがとれていないと自我に悪影響が及ぶ可能性がある
『Psychology of Well-Being』で発表された研究によれば、何もかもを捧げる情熱が、人間関係やセルフケアといった、人としての重要な責任に関する意図せぬ放棄につながることもあるという。1つの面での成功や前進に集中するあまり、普通ならバランスのとれた人生を支えているはずのほかの面が、薄れて消えてしまうのだ。 ときには、外部からの圧力や、認めてほしいという欲求が、そうした強迫に拍車をかけることもある。こうした「フォーカスの変化」が、ストレスやバーンアウトを悪化させ、全体としてのウェルビーイングやライフバランスに影響を与えるおそれがある。 情熱を前向きで持続可能なものにとどめておくためには、人生のあらゆる面で調和を保つことが欠かせない。その手はじめとしては、優れたパフォーマンスや成功を目指すというプレッシャーのない状態で、喜びをもたらしてくれる趣味や活動に取り組むといいかもしれない。 また、達成感や満足感の源になるほかのことの開拓に力を入れてもいいだろう。ボランティアをしたり、新しい友だちをつくったり、情熱の対象以外で人間的な成長を目指したりすれば、もっと健全なバランスを手に入れられるかもしれない。 日々の暮らしのなかで目的や自己認識を開拓するもう1つの方法として、「優先事項チェックリスト」をつくるという手もある。優先事項を定期的に評価し、順位をつけられるリストだ。そうしたリストをつくれば、人生のどんな面にもっと注意を向けて育むべきかを見極めやすくなるはずだ。 ■2. 自尊心が情熱と結びついているとき 大好きな何かをすることに依存しているような状態になると、それが次第に自己認識をかたちづくるようになる。キャリアであれ、趣味であれ、個人の目標であれ、そうした追求との結びつきが深まれば深まるほど、それが人生の唯一の目的のように思えてくることがある。 情熱は多くの場合、モチベーションや満足感の高まりと結びついているが、バランスがとれていないと、自我に悪影響が及ぶ可能性がある。