アジア初展示。リジー・フィッチ/ライアン・トレカーティンの日本初個展「It Waives Back」が、プラダ青山で開催
オハイオ州を拠点に、世界各地で展示を行うアーティスト
アメリカのアーティスト、リジー・フィッチとライアン・トレカーティンによる展覧会「Lizzie Fitch / Ryan Trecartin: It Waives Back」が、プラダ青山店にて開催される。会期は10月24日から2025年1月13日まで。 オハイオ州アセンズを生活・活動の拠点とするリジー・フィッチとライアン・トレカーティンは、ともに1981年生まれのアーティスト。2000年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインで出会って以来、共同で活動を行っている。 ノンリニアな映像と没入型インスタレーションを融合したコラボレーション活動で高い評価を獲得しており、これまでに共同制作した作品は、ホイットニー美術館(2006)、MoMA PS1(2011)、パリ市立近代美術館(2011-12)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)、クンストヴェルケ現代美術センター(2014-15)、アストラップ・ファーンリー美術館(2018)、プラダ財団(2019)など、世界各地で展示されている。 ふたりにとってアジア初展示、日本初個展となる本展は、2019年にミラノのプラダ財団で発表されたマルチメディアインスタレーション「Whether Line」がベースになっている。「Whether Line」は、フィッチとトレカーティンがオハイオ州の田舎に自宅とスタジオを移した2016年以来、制作を続けているシリーズの一環で、領土や所有権といった対立する概念や、それらが自己の発達に与える影響を中心的なテーマとする。同作の核となるアイデアを追求した本展「It Waives Back」では、ゲームの世界を取り入れながら、登場人物が比喩的にも物理的にも、同時に複数の存在として描き出される。 展覧会は、大型のインスターションと2点の映画作品、そして独立した彫刻のシリーズで構成。ふたりの代表的なインスタレーションモチーフである「彫刻的劇場」は、木造建築と暗い温室のような空間で構成され、そこで生まれる建築的表現が、内部と外部、鑑賞者と参加者、余暇と仕事といった対照的な概念を体現する。 上映される映画作品は「時間」を重要なテーマとした『TITLE WAIVE』、実写とアニメーションを組み合わせた『Waives Back (Whether Line)』。さらに、人型彫刻を集めた「フィギュラティブミザンセーヌ(比喩的舞台演出)」として構成された新しい彫刻作品が展示される。
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