小学生のプログラミング学習、何から始めればいい? 2025年から「情報Ⅰ」が大学入学共通テストの必須科目に
1)課題を設定する力 2)テクノロジーを使いこなす力 3)単なるアウトプットではなくアウトカム=実社会の変化まで導く力 1と3はAI時代にも人間にしかできない重要なことです。そして2の力もこれからの社会を生きる前提となる力になります。 高濱 手段として確実に必要だと。 讃井 はい。「デジタルネイティブ」という言葉がありますが、それはもはや2000年代のこと。その後スマホでデバイスを外に持ち出すことができ、クラウドでさまざまなサービスを利用できるようになった。そしていまやAIに聞けばなんでも助けてくれる。あたり前にデジタル環境に囲まれている「デジタルネイチャー」の時代なんです。今の子どもたちは、生成AIを使いこなす「AIネイティブ」で、デジタルのユーザーにとどまらず、クリエーターにもなり得る。 高濱 本当にそう。生成AIもあっという間にブラッシュアップされて、さらに進化している。そのあまりに速い変化についていけないなど、親としてどうアプローチしていいのか、とまどう大人は多いんですよ。 讃井 生成AIはまだ出てきたばかりだからこそ、親子で一緒に始めたらいいと思います。ただし、プログラミングも生成AIも楽しいものとして始めてほしいですね。とくに小学生のうちは。 ■デジタルかアナログか関係なく、「夢中」を究められる子に 高濱 それ大切! 楽しくないとね。対象がアナログであろうがデジタルであろうが、なんでも初めの一歩は「夢中になること」ですから。どうしたら子どもの目が輝くかが一番大切。 讃井 うちのITキャンプでも「楽しく学ぼう」が基本なのと、子どもの好きなものは、どんなものでも絶対否定せず受け入れることにしています。 高濱 親は受験に必要な「科目」として「そうじゃないでしょ」「ちゃんと覚えなさい」というスタンスになっちゃう。でもそれだとちょっとつまずくだけで、苦手な科目になってしまう危険がある。 讃井 たとえばうちの初級コースでは、最初に時計のアプリを作るんです。シンプルなものはマニュアル通りにやれば半日くらいでできる。でものめりこむ子は、「分」の表示だけでなく「秒」もつけたい、デザインも凝りたい、となって1日かけてもなかなか完成しない。すると親は「早く!」とやきもきしてしまう。