衝撃の97秒…なぜクレベル・コイケはRIZINで萩原京平を予告通りに”秒絞”できたのか…フェザー級王者の牛久への挑戦が正式決定
ネット配信を軸にした総合格闘技イベント「RIZIN LANDMARK vol.3」が5日、会場非公開で開催されメインでクレベル・コイケ(32、ボンサイ柔術)が、萩原京平(27、SMOKER GYM)の右ストレートを浴びて流血しながらも、戦前の予告通りに1ラウンド1分37秒に必殺のバックチョークで一本勝ちした。榊原信行CEOは、RIZINフェザー級王者、牛久絢太郎(27、K-Clann)とのタイトル戦を正式発表。クレベルは「牛久かかってこい。絶対に負けない」と宣言した。なぜ彼はこれほどまでに強いのか。(Exciting RIZINほかでPPV配信。アーカイブ配信は5月10日午後23時59分まで)
”殺戮の芸術技”バックチョークで1本勝ち
終わってみれば“秒絞“だった。 予告通りのバックチョーク。萩原がもがいても逃れることができず左手でタップした“殺戮の芸術技“である。 「ウォー!」 限られた招待客しかいない会場にクレベルの雄叫びが響く。 ショックで顔色を失った萩原が嘆く。 「寝技が強かった。対応できなかった」 やはりクレベルは強かった。 5年前に柔術の大会でクレベルに勝利経験があるブラジリアン柔術の第一人者、岩崎正寛氏に指導を受けてきた萩原は「細かい対策はしていなかったんですが、バックチョークのディフェンスはずっとしていて、それが本番で勝手に出るかなと思っていました」という。もちろんクレベルの「バックチョークで決める」という予告も目にしていた。 だが、対峙したクレベルは想定を上回った。 「力はそんなことはなかったがテクニックが凄かった」 タックルで倒され、グラウンドの展開で簡単にバックをとられると「首の防御に気を取られていた」ところに、まるで植物が根を絡めるように両足でボディをクラッチされた。その展開のスピードも想定外だった もうクレベルにとって“料理“の最終段階。足でコントロールして「喉の下に」(萩原)右腕を巻き付けて一気に絞めた。 試合前に対戦相手とコンタクトをとることを嫌い、萩原のスモークポーズに「彼のことが好きじゃない」と物言いをつけるなど、緊張感を高めていたクレベルだが、しばらく、その場から立てなかったアンダーグラウンドエンペラーに声をかけた。 「彼はいい男。僕はいつも生徒に教えている。“試合が終わったら相手のことはリスペクトしなさい“と」 その左目の上からは血が流れていた。 「うれしいね。傷?しょうがないね」