牛久絢太郎が斎藤裕を返り討ちのRIZINフェザー級タイトル戦線が面白くなってきた理由とは…朝倉未来「俺の方が強い」と挑発
総合格闘技イベントの「RIZIN.35」が17日、武蔵野の森総合スポーツプラザで8935人のファンを集めて行われ、リベンジをテーマに組まれた3大タイトル戦のRIZINフェザー級タイトルマッチでは王者でDEEP同級王者でもある牛久絢太郎(27、K-Clann)が前王者の斎藤裕(34、パラエストラ小岩)に3-0の判定勝利をおさめて初防衛に成功した。この日発表された5月5日の「RIZIN LANDMARK vol.3」でクレベル・コイケ(32、ボンサイ柔術)が萩原京平(26、SMOKER GYM)に勝てば、コイケが第1挑戦者となるが、朝倉未来(29、トライフォース赤坂)が「俺の方が強い」とツイートするなど、RIZINフェザー級タイトルを巡る争いが熱くなってきた。
朝倉未来の戦い方にヒント
泣いた。 ジャッジの審判を仰ぎ、自分の名前が2人続けてコールされたことを確かめた瞬間、牛久は、笑うでもなく、吠えるでもなく、神妙な表情をしていた。そして、次の瞬間、泣いた。 「この半年間、自分を追い込んで頑張ってきた。勝利がなによりうれしいです」 リベンジを果たせなかった斎藤は、リング上で、涙ぐむ勝者にこう語りかけた。 「泣かないで、泣かないで。チャンピオンなんだから胸を張って」 牛久は「優しい人です」とその言葉にまた涙がこみあげてきた。 約6か月ぶりのリマッチだった。リマッチは勝者が有利とされるが、互いの手の内を知った以上、よほどの実力差がない限り、研究、進化した方が勝つのが鉄則だ。前回敗れていた斎藤は、元キング・オブ・パンクラシストの石渡伸太郎氏の教えを請いノートにフローチャートを書き込み勝利シミュレーションを作った。 そして王者の牛久も、元DEEPフェザー級王者、横田一則氏とタッグを組んで綿密な斎藤対策を練ってきた。 牛久は、左構えから右構え、右構えから左構えと、頻繁にスタンスを変えてスイッチし、斎藤の距離感を幻惑した。 「前回よりも僕を仕留めに来ている圧力、ガツガツくるなと感じていた。そのプレッシャーをいなし、自分の距離を作るためのスイッチだった。元々できるので使えるなら使おうと」 斎藤の一撃を浴びることのない距離から関節蹴りで牽制した。 「打撃で(展開を)作ろうと思っていた。組みでいくのではなく」 組みの展開ではコーナーに押し込められたが、2ラウンドに試合が動く。斎藤のキックの蹴り終わりに、アゴのガードが甘くなるとみるや、そこに左のハイキックのカウンターをお見舞いしたのだ。 「タイミングを見て体が咄嗟に反応した」 斎藤は腰から落ちた。すぐにギロチンチョークで決めにいく。齋藤の必死のガードで仕留めきれなかったが、王者が試合の主導権を握った。