一歩進んでる『韓国の教育事情』グローバル人材のための基礎教養|VERY
才能の芽は見逃さない!最大限まで伸ばすのがママのミッション
前述のジェヒも、前の学期は息子くんをゴルフに集中させました。親子で楽しむために始めたのがきっかけで、息子くんはメキメキ上達。コーチからも「才能ある!」と言われ、数々のトーナメントに参加し、その期間は学校の勉強はお休みするという徹底ぶり。その時彼女が言っていた「まだプライマリー(小学校)だから、トライだけしてみる」という言葉がとても印象的でした。日本では、中受をする場合、高学年になったら勉強に全集中せざるを得ないので、小学校の時に、それ以外のことを身につけられるのは正直うらやましい気がします。けれど、とある韓国ママは「それはそれで、大学までの道のりが長くてつらい」と言います。長期的視野で考えることができる一方で、あれもこれもになってしまうこともあるのだとか。たしかにそれもありそう。ただ、息子がこちらのインターに通って感じるのは、スポーツや音楽、アートなどの分野が得意だと異文化に溶け込みやすいということ。英語ができなくてもスポーツができれば仲間に入れるし、楽器が得意な子はコンサートなど披露の場もある。アートで自分を表現できれば一目置かれます。そういう意味では、グローバルな舞台では韓国ママの習い事戦略は、やはりなかなかの勝ち筋なのではと思うのです。 【Q.なぜ受験社会の韓国でこんなに習い事を?】 総合型選抜の大学入試のため受験のためという戦略も… 習い事に力を入れる理由は他にも。熾烈と言われる韓国の大学入試は、今や日本で言うところの総合型選抜が主流。コンクールや競技会での受賞歴などをポートフォリオにのせるためという狙いもあるようです。ドラマ「SKYキャッスル」でもポートフォリオを見せる見せないの一悶着が描かれていました。米国大入試でも勉強以外の側面を見られるため、習い事は海外進学組にも有効な手段と言えそう。
今月の1枚
マレーシアライフで気に入ってるのが、コンドミニアムにプールとジムが完備していること。ほぼ100%のコンドにプールはあって、子どもたちが水泳を習うときは、コーチに自宅コンドに来てもらって個人指導というスタイルが主流です。
Profile マーサ斉藤 MARTHA SAITO 元雑誌編集者。中学受験から逃げるように息子とマレーシアへ移住。最近はK-MOMたちに触発されduolingoで韓国語を勉強中。教育系メディアfinditsにも参加。 イラスト/香川尚子 取材・文/マーサ斉藤 編集/水澤 薫 *VERY NAVY 11月号「連載 子どもの頃から海外進出も視野に!?K-MOM流 グローバルエリートの育て方」より抜粋。 *掲載中の情報は誌面掲載時のものです。