2025年、バイク界はこうなる!……〈多事走論〉from Nom
ホンダと日産が経営統合へ
昨年末の12月18日、ホンダと日産が経営統合するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。 このコラムでも、両社の経営統合はホンダの二輪事業には影響があるのかという観点で記事を書きましたが、12月23日には2社に加えて三菱自動車も含めた3社が「知能化・電動化に向けた戦略的パートナーシップの検討開始に関する覚書」に基づいて基本合意書を締結し、将来の経営統合に向けての検討を進めていくことを記者会見で発表しました。 電動化、知能化というかつてない転換期を迎えている自動車業界。個社でその難局を切り抜けるのは困難だというのが経営統合の理由ですが、ホンダ、日産が持ち株会社を設立してそこに三菱も合流する、持ち株会社の役員の過半数はホンダが指名し、持ち株会社の代表はホンダの役員から選出する、2026年6月に経営統合の最終合意を目指すという方針が明らかになっただけで、詳細が決まるのはこれから。 当然、二輪事業はどうするんだというような個々の事業についての話はいまのところはまったく出ていません。12月19日のコラムに書いたように、現在のホンダにとって二輪事業は経営の屋台骨を支える存在ですから、何か大きな変化が起きるとは考えられません。 統合することで年間売上30兆円、営業利益3兆円以上の世界大3位のモビリティーカンパニーが誕生すると言われていますが、その中核のひとつはホンダの二輪事業であることは間違いないでしょう。
KTMはどうなる?
11月26日に、KTMが本社のあるオーストリアの裁判所で破産手続きを開始するとの発表を行ったことで、倒産=会社が消滅するのではという情報が乱れ飛びました(KTMからの英語のリリースを機械翻訳したことがその原因とも言われています)。 そんな状況を受けて、KTMの日本法人であるKTMジャパンは、現在および将来のKTMユーザーにはいかなる悪影響もないという本社のコメントを発表。KTMは自主再建に向けて、7億ユーロの投資を行う3つの関係者を見つけたと法廷で述べているようですが、その関係者とは誰なのかなどの詳細は明らかになってはいないようです。 F1王者のルイス・ハミルトンの名前が挙がっているとの報道もありますが、いずれにせよバイクを、モータースポーツを愛する投資家であってほしいと思います。 自主再建に向けて人員削減や、生産調整などKTMにとって苦しい局面が続くのは明らかで、12月13日にはMVアグスタがKTMグループから離合・独立することも発表されました。 MVアグスタの新たなパートナーになるのはどこか(中国メーカーとの噂もあるようです)、そしてモータースポーツを含めたKTMの活動が2025年も支障なく行えるのかどうか。心配は尽きませんが、そんなユーザーの不安を払しょくするためにKTMは12月24日に「逆境を乗り越え立ち上がる:KTMは未来、そして更なる勝利の道筋を描く」という言葉とともにビデオレターを公開しました。 不屈の意思でさまざまなレースシーンを勝ち抜いてきたKTMの再建・復活を期待しましょう!