名スカウトが「プロ志望高校生合同練習会」で見つけた逸材は…「素材としてはロッテの佐々木朗希以上だ!」
新型コロナウイルスの影響により甲子園大会が中止に追い込まれたためプロ入りを希望する高校3年生を対象に企画された「プロ志望高校生合同練習会(東日本会場)」の最終日が6日、東京ドームで行われ、12球団のスカウトが勢ぞろいする前で、41人が実戦形式のシート打撃などに挑んだ。ヤクルトの元スカウト部長として古田敦也らを発掘した片岡宏雄氏に、ライブ映像でチェックしていただいたが、名スカウトが、「ダントツの1位候補」としてピックアップしたのが、国学院栃木のシャピロ・マシュー一郎投手(191/93、右投右打)だ。自己最速を更新する147キロをマークし、打者5人から4三振を奪った。片岡氏は「素材としては去年の佐々木以上」と昨年のドラフトで4球団競合の末、ロッテに入団した佐々木朗希と比較して絶賛した。また野手では本塁打を放った中日・石川翔の弟で青藍泰斗の石川慧亮外野手(173/80、右投右打)、8打席で5安打2四球と7度出塁した上田西の高寺望夢内野手(178/75、右投左打)、東海大甲府の渡部海夢外野手(178/84、右投左打)が目についたという。
191センチのシャピロ・マシュー一郎投手に注目
名スカウトは迷うことなくシャピロの名前を挙げた。 「一人際立っていた。体つきも素晴らしいし、素材としては去年ロッテに入った佐々木以上。ノビシロが楽しみな投手で2、3年したらメジャーから誘いがくるくらいの投手になる可能性がある」 カウント1-1から始められたシート打撃。シャピロは打者5人と6打席対戦した。先頭の高寺をレフトへのファウルフライに打ち取り、続く片山隼一(埼玉栄)に四球を与えたが、ここから圧巻の三振ショーを演じてネット裏のスカウトをざわつかせた。 村山大樹(豊岡)を高めの145キロのストレートでスイングアウト。続く荒木友斗(加茂暁星)は縦に大きく割れる115キロのカーブで空振りの三振。藤田青空(弘前東)も146キロのストレートで追い込みキャッチャーのサインにクビを振ってカーブを選択。119キロの大きな落差のカーブにハーフスイングさせ判定は三振。さらに凄かったのが、片山の2打席目。全球ストレート勝負で、147キロ、145キロときて、最後も147キロが表示されたインハイのストレートで空振りを取った。まるでボールが2段階で伸びあがっているようだった。シャピロは「うおお!」と雄叫びを上げた。 191センチの身長から左足を高く上げて真上から投げ込むダイナミックなフォーム。全身バネのような躍動感があった。 「手足が長く、ステップした後に腕が遅れて出てボールを前でリリースするので打者は、球速以上に速く感じるのだろう。今日は最速147キロだったが、まだまだ伸びる。簡単に150キロは超えてくると思う。変化球の曲がりも大きい。カーブ、スライダーがキレるのはいい投手の条件だ」 そして片岡氏が評価したのは投球の間にかいま見えた性格面だ。