名スカウトが「プロ志望高校生合同練習会」で見つけた逸材は…「素材としてはロッテの佐々木朗希以上だ!」
「声を上げ闘志を前面に出していた。途中ニヤっと笑う場面もあったが、一連の仕草に精神的な強さを感じたね。ロッテの佐々木は、ひ弱なイメージがあったが、この選手は、プロ向きに見える。まだまだ未完成の投手だが、私がスカウトならドラフト1位だ。粗削りで経験も少なく、2、3年はかかるだろうが、エースになれる素材だし、将来的にメジャーリーグから誘いのかかるスケール感がある」 シャピロは東京の下町で育ったが、父は米国人で大相撲のNHKの中継で英語の解説をしている。栃木の独自大会では、3イニングしか投げておらず全国的には無名だが、スカウト間ではひそかにリストアップされているドラフト候補。その右腕が名スカウトの目に留まった。 片岡氏は、投手では他に健大高崎の橋本拳汰(191/90、右投右打)、下慎之介(183/87、左投左打)、鈴木威流(178/73、右投左打)、浦和実の豆田泰志(173/80、右投右打)、埼玉栄の内田了介(181/82、右投右打)の5人をリストアップした。 「健大高崎の3人は、それぞれまったく違ったタイプ。橋本は191の長身から投げ下ろす大型右腕で、下はキレ味のある左腕、鈴木は144キロを出した独特のまさかり投法からの力投派。スカウトによって好みは分かれるだろうが、おもしろい。内田は、まとまりがあり、豆田はストレートに力がある。中継ぎで短いイニングなら、すぐ通用するんじゃないかというほどの球威。彼らは、1巡、2巡で消えるような選手ではないが、リストアップはしておきたい選手だ」 橋本は最速143キロ、鈴木は最速144キロをマーク。豆田は最速146キロのストレートで、ほとんど前に打球を飛ばさせず4三振を奪っている。内田も4奪三振だ。 野手では、石川、高寺、渡部の3人の名前をあげた。 「石川は最後の打席でスタンドに放り込んだ。豪快なパンチ力は魅力。上背はないが高校生離れした馬力がある。高寺は、どのチームも欲しいショート。シートノックを見たが、肩が強く、足運びもよく動きはこなれている。バッティングはインサイドの速いボールを逆方向に運ぶなど、天性のバットコントロール力を見せつけた。渡部は結果が出せなかったが、バッティングにいいものがある」