送り先拡大と多車種維持「社員と会話して軌道修正図る」日野自動車会見8月2日(全文7完)
再発防止策は平凡に見えるが
日経クロステック:何度もすいません。日経クロステックの近岡と申します。再発防止策を見ても、正直、なんて言うんですかね、きらりと光るものはなく平凡なものだと思います。特に他社と変わったところがないなっていう印象です。そもそも赤字に追い込まれて、そこからトヨタに救済されたという経緯があります。そうそうたる経営人材が投入されてきたと思っています。 それなのに、つまりトヨタ流まで注入されておきながら、20年間にわたって不正が続いていたということを考えると、本当に直るんですかねと。不正が今後、再発しないっていうふうに社長さんは断言できますでしょうか。特に20年間の間に自ら不正を行いながら、あるいは不正を隠蔽しながら、幹部になった人も正直いると思うんですね。そういう人たちが、はい、今日から、今までは不正をしてきたけど、これからは不正をしません、しないようにしていきましょうっていうふうに変われるものなのかっていうのがちょっと分からなくて、その辺について不正がないっていうふうに断言ができるのか、その理由をお教えいただきたいです。 小木曽:そんな簡単に変われるものではないっていうのが先に、同じ認識をしております。今回、私どものプレスインフォメーションに書いてある再発防止というのはご指摘いただきましたとおり、今回分かった不正行為に対してどうやったら取りあえず流出防止ができるのか、通称、止血、血を止めるという、止血といわれる流出防止をしたのにすぎないと思っております。ただ、こちらはやらないと、今のままでは品質が保証できませんので、止血をしっかりやっていきます。
体制をつくるだけで3カ月掛かると思う
ただ、後半のところに少し職場風土とか、コンプライアンスとか書いてございます。この、おっしゃっていただいたように、2001年に大変な思いをした日野自動車がトヨタグループに入って、ある程度の枠組みを入れたにもかかわらず、やはり中身のところで、品質優先だったり、人材育成に至ってなかったところというのは、今回のこのプレスインフォメーションの内容だけで変わるとはまったく思っておりません。今回の調査委員会の報告を、たぶん、これをわれわれがそこをヒントとしてしっかり読み込んで、社員と考えて、どのようにやっていくのが筋道かと、これを決める。そのリーダーの人材をある程度明確にするとか、体制をつくる。これだけで3カ月掛かると思います。 2つ前ぐらいのご質問にありましたとおり、これを1年1年きっちりやって、おっしゃっていただいたとおりです。その1年1年やっていく中でそういうことが分かる人が20代の若者でも、30代の若者でも、40代、若者じゃないかもしれませんけど、そうやって育っていって、次々とたすきを渡していく、そういう会社になっていくというふうにしていくのをこれからやっていきます。ただ、不正を起こした会社でございますので、流出防止は少し厳しくきっちりやって、足元ではご迷惑をお掛けしないようにということは、みんなで目を凝らしてやっていこうと思っております。 日経クロステック:ありがとうございました。 司会1:はい。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本日の会見はこれで終了とさせていただきます。小木曽社長、退出をお願いいたします。 小木曽:ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 司会1:会見を終了させていただきます。ありがとうございました。 (完)【書き起こし】日野自動車会見8月2日