今日天皇賞・秋…アーモンドアイは史上初の8冠馬になれるのか?
ただし、菊花賞のコントレイルほどの全幅の信頼を置けるかと言えば、そうでもない。ポイントとなるのが、馬場の状態だ。これまで11冊の著書のある棟広さんは、「馬場レベル」を馬券予想の中心に据えている。 「馬場レベル」の基本は、まず、そもそもの芝の状態を示す。芝の種類により長さや質が違い、「軽い芝」が新潟、東京、京都、夏のローカル開催、ローカル開催前半など。洋芝の札幌、函館、盛岡や海外の競馬場は「非常に重い芝」で、阪神、中山は、その中間の「重い芝」に分類される。棟広さんは、その馬場レベルに合っている穴馬をピックアップするというシンプルで分かりやすい予想の組み立てを信条としている。 では、今年の馬場レベルはどうなのか? 今年の東京開催は雨にたたられ、時計がかかっているのはハッキリしており、棟広さんもこう指摘する。 「今年の課題は昨年とは異なる”馬場レベル”であること。昨年は1分56秒.2という、レコードから僅か0.1秒差の好時計で快勝しましたが、今年はこの数字が出る状態ではありません。これまで13戦のキャリアでベストパフォーマンスと言える2.20.6という驚愕の世界レコードをマークしたジャパンカップ。このことからも分かるように、速い時計の決着になればなるほど、それに対応できるアーモンドアイにとってはアドバンテージとなり、紛れの可能性が小さくなります」 しかし、先週までの馬場状態だと絶対とは言い切れない面があるようだ。 「今年は開幕週から2週連続で雨の影響を大きく受け、馬場が損傷しているため、昨年と比較すると”馬場レベル”はかなり低くなっています。これはアーモンドアイにとって歓迎できる材料ではありません。時計がかかればかかるほど、台頭する可能性のある馬が増えるからです。力では絶対的な存在という見方に異論はありませんが、今年の芝の状態がその差を縮める要素として働きます。そこを克服できるかどうか。その1点に尽きます」 確かに、今秋の東京競馬場は時計がかかっており、24日の富士ステークスは良馬場発表だったにもかかわらず、芝1600メートル1分33秒4と平凡な時計。10月31日に行われたG3アルテミスS東京マイルを1番人気で制したソダシの優勝タイムは1分34秒9で、ここ2年、2018年の勝利馬が1分33秒7、2019年が1分34秒3だったのに比べると時計のかかる馬場レベルにはある。当日の馬場状態、馬場傾向、時計などをしっかりと吟味する必要がありそうだが、時計がかかるとアーモンドアイ以外の馬にもチャンスが生まれる。