今日安田記念…アーモンドアイは皇帝の「呪い」を解き史上最多G18冠の偉業を果たせるのか?
今日7日、東京競馬場で行われる「第70回安田記念」(1600m芝、G1)はG1馬が史上最多10頭がスタンバイする超豪華版だが、注目は、史上最多のG18勝目にチャレンジする最強牝馬アーモンドアイ(牝5、国枝栄厩舎)だ。死角があるとすれば、デビュー以来最も短い「中2週」のローテーションだけ。G17勝で1986年に引退した「皇帝」シンボリルドルフ、「英雄」ディープインパクト、「女傑」ウオッカらの過去の名馬5頭が超えられなかった8冠の壁をアーモンドアイは超えることができるのか。
歴戦の名馬が超えられなかった壁
シンボリルドルフも達成できなかった8冠の偉業に挑むアーモンドアイは前日売りの単勝オッズ1.4倍と圧倒的な支持を受けた。4枠5番も悪くない。2番人気が同枠6番のインディチャンプの7.2倍だからファンの期待度が伝わってくる。 手綱を握るルメール騎手も自信のコメントである。 「いまもレジェンドホース。でも、なお、進化している。体が大きくなり、パワーもついた。ついに完成した。もうひとつ勝てば、ダリアやミエスク、ウィンクスといったスーパーレジェンドの域に入る」 世界の競馬史にその名を刻む名牝の名を挙げながら状態に太鼓判を押した。 1984年にグレード制が導入されて以降、これまでダートのG1級ではコパノリッキーが最多11勝を挙げているが、消耗や故障のリスクが高い芝では7勝が最多で過去に5頭しかいない。もちろん、その5頭に名を連ねるのは伝説の名馬ばかりだ。 「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフは80年代に活躍。皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3歳クラシックを史上初の無敗で制覇した。世紀末に現れたテイエムオペラオーは購入価格1050万円だったにもかかわらず、2000年には出走したレースで重賞8戦(G15戦)を全勝した。「英雄」ディープインパクトはその軽やかな走りから「空を飛ぶ」と形容され、無敗で三冠を成し遂げると、古馬になって4冠を加え、わずか2年でのG17勝を達成している。 ウオッカは阪神ジュベナイルフィリーズを勝つと、牝馬として64年ぶりに日本ダービー制覇。その後もジャパンカップを勝つなど4年連続でG1勝利を挙げた。記憶に新しいところではキタサンブラック。17年には春秋の天皇賞、有馬記念など一気にG14勝を挙げ、稼いだ18億7684万円は歴代の賞金王だ。 世代によって、どの馬が最強かは意見が分かれるところだが、歴戦の名馬たちも8冠は達成できなかった。シンボリルドルフは、海外挑戦となった最後のレース、サンルイレイステークスで6着に沈み、 テイエムオペラオーは、8冠目を狙った天皇賞、ジャパンカップ、有馬に3連敗、ディープインパクトは引退レースの有馬で7冠を達成したが、前年の有馬でハーツクライに敗れて2着に終わったことが悔やまれる。キタサンブラックも有馬で有終の美を飾り、7冠に並んだが、その有馬の前にジャパンカップでシュヴァルグランに敗れて3着。いずれの馬も、まるでシンボリルドルフの「呪い」にかかったかのように8冠の壁を超えることができなかった それだけにアーモンドアイの挑戦への注目度は高い。