名スカウトのドラフト採点。「一番の成功は阪神の甲子園スター組指名。対照的に低評価チームは……」
対して、ヤクルト、中日、広島、横浜DeNAは「それぞれが持ち味を出して85点以上の及第点と言える」とした。 「この4球団で90点以上の評価を与えていいのが中日だろう。与田監督が、昨年の根尾に続き、またクジで勝負強さを見せた。センス抜群の石川に続き、2、3位で大学、社会人の即戦力投手、4位で慶応大の捕手を取ってバランスもよかった。横浜DeNAは、競合を避けて独自路線。森は昨年の小園と比べても甲乙つけがたい万能選手で体が強い。ここも中日と同じで、2、3位は即戦力の期待を込めて大学生投手を押さえた。そして、この両球団は1位も含めて地元の選手を多く取った。その方針も評価されるべき」 中日が育成で1位指名した名古屋大の松田亘哲は、高校時代はバレー部だったという異色の国立大投手。片岡氏は「こういうチャレンジも面白い」という。 奥川を引き当てたヤクルトは4位までを投手で固めた。 「最下位のヤクルトが、来年戦うための補強ポイントは投手だから、2位から4位まで大学生で固めた狙いは痛いほどわかる。奥川は高校生だがキャンプをうまく調整させれば開幕からでも出てくると思う。2位の吉田大喜(日体大)は、ボール持ちが悪く完成度が低いので、高津監督がどうプロに対応させるかが重要。ただ今年は捕手が当たり年だったのに捕手を指名していないのが疑問だが」 広島は森下の1位指名を公表していた。競合必至と見られたが、意外と単独指名になった。片岡氏は、「伸びシロという点で敬遠されたのかもしれないが、間違いなく即戦力。今の広島ならすぐにローテーに入ってくる。広島は、この1位を単独で押さえただけで成功と言えるだろう。ポスト丸の不在に苦しんだが、法大の宇草孔基外野手を2位で押さえてある。広島が好きそうな足のある選手だ」 一方のパでは、片岡氏が、最高の「95点」を付けたのが、佐々木を引き当てたロッテだ。 「佐々木の1位指名は多くて4球団と予想したが、ロッテは、種市など高卒のピッチャーを出してきているし、いい球団に行ったのではないか。佐々木は未知数だが、2位では守りだけでなく反対方向へ打てるバッティングのできる即戦力捕手の佐藤都志也(東洋大)を取り、3位の高部瑛斗(国士舘大)も3拍子型外野手で戦力バランスを考えた補強になった」