【ソフトバンク】甲斐拓也の巨人FA移籍で初の人的補償も 球団幹部「あらゆる可能性」
巨人・甲斐拓也捕手(32)のFA移籍に伴う「プロテクトリスト」が27日にソフトバンクに提出された。仕事納めとなったこの日、ソフトバンク・三笠GMは「(結論は)年明けになる」と明言し「仮定の話はしないことにしている。監督とも相談して決めたい」と話すにとどめた。 甲斐の今季推定年俸は2億1000万円でBランクのため、ホークス側は「金銭補償のみ」か「金銭補償プラス人的補償」のどちらかを選択できる。今後は28人のプロテクトリストから漏れた支配下選手の中に補強ポイントに合致する戦力がいるかを検討し、人的補償を求めるかどうかを含めて球団内で協議する。 ホークスは過去に人的補償を選択したことがなく、補償の行方が注目されることは必至だ。有望な若手が多く、戦力は12球団屈指。「欲する人材」や「魅力ある選手」でなければ、今回も人的補償を求める可能性は低いとも考えられる。 しかも今オフは「先発強化」を一大テーマに掲げ、積極的な補強に動いた。最大のターゲットだった上沢(前レッドソックス)を筆頭に、現役ドラフトでDeNAから上茶谷、さらにDeNAとの交換トレードで浜口を獲得した。中継ぎ起用も可能な右腕の上茶谷、左腕の浜口をバランスよくそろえたが、フロント側が投手補強を十分と判断して〝打ち止め〟にするかは不透明だ。 もちろん、球界屈指の実績を誇る甲斐が抜けたことで捕手陣は心もとなく映る。ただ、チームの新陳代謝を促すという点ではいや応なく若手捕手の育成を迫られることになり、球団内では「好機」とみる向きが多いのも事実だ。 フロント幹部は、捕手の人的指名について「あらゆる可能性がある」と含みを持たせた上で「プロテクトリスト次第」とも言及。来季構想の中で、若手を育てつつ経験のある捕手に頼るという戦略的判断も考えられる。充実したホークス野手陣にあって、チーム強化につながる〝掘り出し物〟が見つかるかも注目だ。 甲斐のFA宣言から決着まで1か月以上を要した。ホークス陣営は補償に備えて人的候補を用意周到に絞り込んできた。巨人が守り切ったのか、それとも――。
東スポWEB