為替変動、25年の「アキレス腱」になる恐れ-KKRが投資家に警告
(ブルームバーグ): オルタナティブ資産運用会社KKRは、変動の激しい為替市場が来年の投資家の「アキレス腱(けん)」になり得ると警告した。財政赤字拡大と貿易戦争の脅威が、なお上昇余地のある強気相場を混乱させかねないとした。
KKRのグローバルマクロ・資産配分責任者、ヘンリー・マクベイ氏はリポートで、レバレッジの高まりや一部の国が「競争上の優位を高めるために自国通貨の調整を望んでいる」ことを特に考慮し、KKRは来年にかけドルと新興市場国通貨を注視していると説明した。
リポートは現在のサイクルについて、「通貨の巻き戻しと過剰なレバレッジの組み合わせが、投資家が軽視していた短期の急激な相場調整を招いた」1990年代後半と類似していると指摘。「関税戦争と著しい財政不均衡がボラティリティーショックを引き起こす恐れがある」と分析した。
為替市場を巡る警告は、「赤字拡大と地政学リスクの高まり、米国の一層根強いインフレ」が「より低いリターン」につながる可能性があるというKKRの「レジーム変化」説と合致する。
それでもKKRは2025年を楽観しており、来年末時点のS&P500種株価指数を6850と見込む。ブルームバーグがまとめたストラテジストの予想中央値は6600。6850は18日終値を17%上回る水準であり、年初来18日までの上昇率は23%、昨年は24%だった。
リポートによれば、高いバリュエーションがリスク資産の上昇を制限しかねず、「25年に力強い絶対リターンを達成するハードルは一段と高くなっている」という。その一方で、利下げと生産性向上が見込まれることを楽観的見通しの根拠として挙げた。さらに強気相場は平均5年半持続するが、現在の株高のサイクルはまだ2年2カ月だとした。
原題:KKR Says FX Volatility Could Be Market’s ‘Achilles Heel’ in 2025(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ye Xie