「片づけなさい」と叱るのはNG? 部屋を散らかす子が心に抱えるもの
子ども部屋は、何歳から持たせるのがベストなのでしょうか? せっかく部屋を与えても、散らかし放題にしていたら、親としてはつい小言を言いたくなりますよね。 【マンガ】集中力が高い子ほど、乳幼児期に体験している「フロー状態」とは? しかし、子どもが部屋を散らかすのには、その子なりの理由があることが多いようです。 「片づけなさい」と叱りたくなった時に思い出したい一節を、そうじ力研究家・舛田光洋さんの著書、『賢い子の「そうじ力」 そうじで身につく集中力、思考力、判断力』より抜粋してご紹介します。 ※本稿は、舛田光洋,宮本さおり著 『賢い子の「そうじ力」 そうじで身につく集中力、思考力、判断力』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです
子ども部屋は子どもの心のバロメーター
小学生のお子さんをお持ちのご家庭の方と話をすると、子ども部屋をいつ与えるかが話題になることがあります。日本では、乳幼児のうちから子ども部屋を持たせる家庭は少ないため、子ども部屋をいつ与えたらいいのかと迷うご家庭が多いのです。 あるハウスメーカーが子ども部屋についての調査を行なったところ、子ども部屋を持っている子の割合は小学校1~2年生男子が37.0%、女子は45.7%。小学校5~6年生では、男子58.3%、女子73.2%という結果でした。子ども部屋を設けた時期は、小学校1年生(27.8%)が最も多く、次に「幼稚園年長相当」15.9%でした。 子ども部屋を与えた理由を見ると、低学年では「(将来)一人で勉強できるように」、2~3年生は「(将来)一人で寝られるように」という親主導の解答が目立ちますが、小学校4~6年生では、半数が「子ども(たち)が欲しがったから」と、子ども主導で子ども部屋を持つことになったケースが増えていました。 もう一つ、同じ会社が行なった調査で興味深いものがありました。そのアンケートは、子どもが小学生になったことで新たに増えた家事や生活の変化について問うものでした。結果にはこんな答えが並びました。 「家に“もの”が増えた」(46.5%) 「収納が足りなくなった」(28.3%) 小学校に上がると、まずは教科書や絵の具などの教材が増えますし、学年が上がると習字道具やリコーダー、裁縫箱など、以外と場所をとる物が次から次へと家にやってきます。 入学の段階では子ども部屋を与えないにしても、こうした学用品を置ける場所を確保することが必要になります。 整った部屋を保つためにはそれぞれの物の置き場所を決める必要があります。いってみれば”その物の住所”です。お子さんに「いろんな物たちも、ここが自分の住所って決まっていたら、元の所に戻りたくなるんじゃないかな」などと話してみるのもいいかも知れません。 新しく物が増えたら、お子さんと一緒にそれぞれの物の住所を決めておけば、散らかってしまったときにも戻す場所がわかっているため、片づけやすくなります。 しかし、このように子どもの物を置くコーナーを決めたり、子どもに自分の部屋を持たせた家庭では、今度はこんな声が上がってきます。 「うちの子、散らかし放題で困るんです」 「子どもの部屋を覗いたら、机の上に教科書やプリントが散乱、どうやったら整理整頓できるようになりますか?」 「何度叱っても部屋を片づけなくて困っています」 この本を読んでくれている皆さんの中にも頷く人は多いのではないでしょうか。 散らかった部屋を見ると、思わず叱りたくなりますが、そこをぐっとこらえて少し考えてみてください。