プロ注目の天理・達、中京大中京・畔柳の両エースに異変?!…「1週間500球」の球数制限に問題はなかったのか?
過酷日程の見直しも含めて、球数制限の前に高校野球の運営の問題を指摘した。 また里崎氏は、投げる、投げないの問題は、本人の意思を尊重すべきだと主張する。 「球数制限の導入の理由は、選手の将来を考えたもの。全国の球児でプロを目指す、あるいは大学、社会人を目指す選手の割合はどれだけあるのか。高校で終わっていいから、とことん投げたいと思う選手もいるだろう。私は選手の意思を尊重すべきで、そのために学校側が公に方針を明らかにすべきだと思う。うちは投手複数制を採用して投げさせません、あるいは、うちは本人が投げたいのでゴリゴリ投げさせます、と方針を公表して、選手に選ばせれば、自然と淘汰されていくのではないか。そうなると、2人制、3人制どころか8人、9人制を採用する学校が出てきて、プロなみに才能ある選手が“飼い殺し”されるという問題も出てきて、公立高が甲子園出場を果たすミラクルというものが減ってくるかもしれないが…」 「1週間500球」の球数制限は、今回、様々な矛盾点を浮き彫りにしたが、各チームに監督と選手の普段からのコミュニケーションと両者の信頼関係の重要性を求めることになったのは事実。また監督には、チーム作りの確固たるビジョンや、選手の健康ケアを含めた医学的な知識、継投のタイミングを含めた観察力や決断力が不可欠であることもハッキリと突きつけられた。 今回、明豊は、タイプの違う左右の投手を3イニングずつ継投させるなどの新しい時代のチームマネジメントで決勝まで勝ち進んだ。それらは、「1週間500球」の球数制限を打ち出したことによる波及効果として評価することもできるだろう。 だが、現状の「1週間500球」の球数制限だけでは、まだまだ不備が多い。今大会に参加した各チームの指導者や選手からアンケートを取るなどして大会を総括。その上で、もう一度、外部の専門家、識者もまじえて知恵を出し合って制度の見直しを行わねばならないだろう。