性能はPGAツアーのお墨付き。「王者の貫禄」を匂わせるタイトリスト『GT3 ドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
発売前からPGAツアーで使用率を高めていたタイトリスト「GTシリーズ」。今回は『GT3』ドライバーを紹介します。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「兄弟モデルのGT2ドライバーよりも、ヘッドの操作性が良く、強い弾道で飛ばせる」と分析しています。『GT2』ドライバーのヘッドデータと比較しながら、『GT3』ドライバーの性能を紐解いてみた。
『GT2』とは正反対の性能!
GD 今回はタイトリスト『GT3』ドライバーを兄弟モデルの『GT2』ドライバーとヘッドデータを比較しながら分析してもらいます。気になるポイントはありますか? 松尾 重心距離、重心深度、ヘッド慣性モーメント、ネック軸回りの慣性モーメントを分析すると『GT3』ドライバーがどんな性能なのか見えてきました。 GD では重心距離からお願いします。 松尾 『GT2』が40.8ミリとやや長く、フェードバイアス設計になっています。『GT3』は39.2ミリと『GT2』よりも短く、フェースの中央よりヒール寄りに重心が位置しているドローバイアス設計になっています。 GD 『GT2』と『GT3』は正反対の重心設計になっているわけですね。ヘッドデータ以外にもフェース面の重心位置を見比べても一目瞭然ですね。では重心深度はどうでしょうか。 松尾 『GT2』が40.0ミリ。それに対して『GT3』が36.5ミリと浅くなっており、基準値(39.0~40.0ミリ)と照らし合わせても、非常に浅い設計です。アドレスでヘッドを見比べても『GT2』は横幅が広い形状で、『GT3』は横幅がスマートで縦長形状になっています。 GD ヘッド全体の形状にも違いが出るほど重心深度に差があるんですね。最近のドライバーは重心深度を深くし、その関係から見た目も時計の文字盤でいう3時方向に横幅が広い形状が多くなっています。 松尾 はい。その理由はヘッド慣性モーメントを大きくすることが狙いで、芯を外したミスヒットに強くするための設計です。それぞれのヘッド慣性モーメントを見てみると『GT2』が4835g・㎠、『GT3』は4305g・㎠と小さくなっています。 GD 非常に浅い重心深度の関係でヘッド慣性モーメントも小さくなっているため、ミスヒットに対するやさしさを求めた設計ではないということですね。その他にどんな特徴が見えてきますか? 松尾 ヘッドの操作性の基準となるネック軸回りの慣性モーメントを比較すると『GT2』が7869g・㎠で、『GT3』は6906g・㎠と小さく設定されています。『GT3』はヘッドの操作性を重視していると考えられます。 GD 『GT3』ドライバーはどんなゴルファーにおすすめですか? 松尾 他にもスイートスポットの高さを見てみると『GT2』よりも低く、スピン量が減り強い弾道で飛ばしていけるのが『GT3』の特徴です。さらにソール面に搭載されている5段階調節可能なウェイトで、自分好みに操作性をカスタマイズできます。今回の分析結果を踏まえるとボールを逃さずにつかまえて、強いドロー弾道で飛ばしたいゴルファーは試してみるといいでしょう。