性能はPGAツアーのお墨付き。「王者の貫禄」を匂わせるタイトリスト『GT3 ドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
ボールを逃がさずつかまえられる
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.0度、シャフトは「TOUR AD DI-6」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。
クラブの長さが45.38インチとやや長く、クラブ重さは319.2グラムと「非常に重く」、そしてスウィングウェイトがD4.9と「非常に大きい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが298万g・㎠と「非常に大きく」、『GT2』とよく似た設定になっています。計測数値のみで推察すると、この仕様では、ドライバーのヘッドスピードが49~50m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。 ヘッドは前モデルの『TSR3』のような縦長形状で、かつフェース面のトウ側に逃げ感もあります。そして強いオープンフェースは継承され、フェース面の丸み(バルジ)が少ない平らなフェースも特徴です。
実際に試打したところ、アドレスでは1.5度のオープンフェース設定と縦長形状、そしてフェースのトウ側の逃げ感で球をつかまえ過ぎずに飛ばせるイメージが出ています。 試打シャフトは素直なシナリ感で振りやすく、インパクトの再現性もいい感じです。しかしクラブ重量が重く、スウィングウェイトもとても大きいので、しっかり振り切るにはかなりのパワーが必要だと感じました。インパクト音は『GT2』よりも少し高いフィーリングです。 『GT2』と同様にヘッド重量が重く、リアルロフト角は『TSR3』よりもさらに小さく厳しい設定なので、ジャストミートした時にはボール初速を上げやすくなっています。 重心深度が『TSR3』よりも4ミリも浅く設定されているのが特徴で、最近流行りの大きなヘッド慣性モーメントは狙っていないことが想像できます。 『GT3』のスイートスポットはソール部のウェイト(N位置)で、フェースの中央よりも少しヒール寄りに設定され、前回フェードバイアスだった『TSR3』とは違って、『GT3』はドローバイアスヘッドになっているのが大きな特徴です。 ヘッドの慣性モーメントは小さくなり、芯を外したミスヒットへのサポート性能が高いヘッドではないです。一方でヘッドの操作性を判断できるネック軸周りの慣性モーメントが、『TSR3』(8163g・㎠)よりも小さくなっています。そして『GT2』に比べてボールをつかまえやすくなっています。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月24日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト