脳血管疾患のリスクを5分の1にできる可能性のある「CPAP療法」 一生継続が必要なの?
睡眠時無呼吸症候群の人は、脳血管疾患のリスクを3~5倍、虚血性心疾患は約3倍の併発リスクがあるそうです。睡眠時無呼吸症候群の治療として知られる「CPAP療法」について、「一生続けなければならないのか?」と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか? 【イラスト解説】急性心不全で「突然死」する前兆となる症状 そこでCPAP療法がどのような治療法なのか、そして継続の必要性や途中で辞められる場合があるのかなどを、医師の岩間先生(日本橋循環器科クリニック)に解説してもらいました。
睡眠時無呼吸症候群ってなに? 医師が解説
編集部: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)について教えてください。 岩間先生: 疾患名の通り睡眠時に無呼吸となってしまうのが睡眠時無呼吸症候群です。専門的には「睡眠中に生じる10秒以上の気流の停止」と言われています。 「一晩(7時間)の睡眠中に、30回以上の無呼吸」あるいは、「1時間あたりの睡眠中の無呼吸数が5回以上」であると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 編集部: そんなに呼吸が止まってしまうのですね。 岩間先生: そうなんです。結果的に、熟睡感が得られず朝すっきりと起きられなかったり、日中にうとうとしてしまったりするような影響がでます。 編集部: それは嫌ですね。 岩間先生: はい。日中の集中力や注意力がなくなりお仕事の効率が低下するというだけでなく、交通事故などの危険も高まります。実際に、居眠り運転と睡眠時無呼吸症候群の関連も指摘されています。 編集部: 交通事故は怖いですね。 岩間先生: それだけではありません。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や糖尿病、心疾患、脳血管疾患との関連性が非常に高いことも明らかになっています。 調査によると、睡眠時無呼吸症候群を持つ人はそうでない人と比べて、高血圧のリスクが約2倍、虚血性心疾患は約3倍、脳血管疾患は3~5倍も併発する確率が高いとされています。さらに、突然死のリスクも指摘されており、適切な治療が必要です。