「氾濫警戒情報」や「氾濫危険水位」とは? 洪水予報と基準水位
●氾濫注意情報(警戒レベル2相当)
大雨で河川が増水して、氾濫注意水位に達し、さらに水位の上昇が予測される場合に発表されます。 国土交通省の担当者は、この段階で「浸水想定区域などが記された『ハザードマップ』や避難場所・避難経路を確認してほしい」といいます。リアルタイムの水位情報や洪水予報は国土交通省の「川の防災情報」や気象庁の「危険度分布」などのサイトで確認できます。
●氾濫警戒情報(警戒レベル3相当)
避難判断水位を超え、また一定時間後に氾濫危険水位に達することが予測される場合に発表されます。 地元の市区町村では避難準備・高齢者等避難開始が発令される可能性があり、高齢者や障害のある人など避難に時間がかかる人は避難を始めましょう。
●氾濫危険情報(警戒レベル4相当)
さらに増水して氾濫危険水位を超えると発表されます。対象地域の住民の携帯電話にはエリアメールが送られます。いつ氾濫してもおかしくない状況で、地元の市区町村から避難勧告などが発令される可能性が高まります。 国交省の担当者は「災害が想定される地域に住む人は全員避難することが望ましい」といいます。高台や避難場所に移動するのがベターですが、たとえば住んでいる場所が3メートルまでの浸水想定区域であれば、頑丈な建物の2、3階への避難を検討しましょう。
●氾濫発生情報(警戒レベル5相当)
すでに河川の氾濫が発生している状況です。川から氾濫した水による被害への対応が必要になります。 警戒レベル5に相当する情報で「命を守るための最善の行動」を取ることが最優先です。その地域の河川の流量や地形によっても条件は変わってきますが、浸水は数時間かけて広がる場合もあるので、すでに氾濫して避難場所への移動が難しい場合でも、自宅の2階以上などへの「垂直避難」で安全確保を図ってください。
「河川のピーク」は遅れてくることも
河川の氾濫といえば、今年7月4日に熊本県の球磨川が氾濫し、甚大な被害が出たことが記憶に新しいでしょう。このときは「氾濫危険情報」が出た約2時間後の午前6時半に「氾濫発生情報」が発表されました。 当時、大雨の特別警報が熊本県と鹿児島県に発表されていましたが、昼前に解除され、大雨警報に切り替えられました。気象庁と国土交通省は合同で記者会見を開き、雨のピークは去りつつあるとしながらも「河川のピークはまだまだこれから。警報に切り替わった後も、油断することなく、身の安全を確保してほしい」と呼びかけました。河川の水位は雨のピークから遅れて上昇することがあるので、特別警報が解除された後も、引き続き河川への警戒は必要です。