「氾濫警戒情報」や「氾濫危険水位」とは? 洪水予報と基準水位
台風による大雨や集中豪雨が続くと河川が増水し、「○○川が氾濫危険水位に達した」とか「××川で氾濫警戒情報が出た」などの言葉をニュースで耳にすることがあります。これらはどういう情報で、私たちはどう警戒し、そんな行動を取る必要があるのでしょうか。 【図解】「レベル4」までに必ず避難 「避難指示」に一本化…新しい警戒レベルとは?
利根川や神田川など全国419河川が対象
「氾濫危険水位」と「氾濫警戒情報」はそれぞれレイヤーが違う情報です。全国のあらかじめ指定された河川(指定河川)については、洪水の発生危険度などを示す「洪水予報」が発表されます。「氾濫警戒情報」は4段階ある洪水予報の1つで、「氾濫危険水位」は洪水予報の基準となる水位の1つです。 洪水予報は、ある水位に達したら機械的に出るわけではありません。たとえば「氾濫危険水位」に達したら必ず「氾濫危険情報」が発表されるのではなく、気象庁と国土交通省、または都道府県が「今後さらに増水しそうか」など水位の見通しを踏まえて判断します。 対象となる指定河川は全国で419河川(174水系)で、関東地方を流れる利根川や荒川、中部地方の木曽川、関西地方の淀川などのように複数の都府県にまたがる大河川から、東京の神田川や目黒川、愛知の新川、大阪の寝屋川などのように1つの都道府県内を流れる川まであります。
洪水予報は危険度に応じて「4段階」
前述の通り、洪水予報には危険度に応じて4段階で設けられています。対応する基準水位と合わせると、危険度の低い順に、「氾濫注意情報」(氾濫注意水位)、「氾濫警戒情報」(避難判断水位)、「氾濫危険情報」(氾濫危険水位)、そして「氾濫発生情報」(氾濫の発生)です。混乱しがちですが「氾濫警戒情報」より「氾濫危険情報」の方が危険度の高い情報です。 この洪水予報は、2019年5月に大雨の特別警報や各種警報・注意報、避難指示・避難勧告などの防災情報が5段階の警戒レベルに再編された際に組み入れられ、警戒レベルに2相当する「氾濫注意情報」から警戒レベル5に相当する「氾濫発生情報」まで、警戒レベルに応じてそれぞれ住民が取るべき避難行動が示されるようになりました。。 以下、詳しくみてみましょう。