休み明けで登校を拒むこども・親を支える「フリースクール」
フリースクールのタイプ
フリースクールには様々なタイプがあるそうです。 北辻「まず居場所となるフリースクールがあります。勉強を目的とすることでプレッシャーを与えないように、こどもたちが安心して過ごせる居場所となる存在。学校へ復帰する第一歩となる居場所としてのフリースクールというのがあります。 次に、学校に復帰することをさらに進めて、学校の授業に合わせて学習の指導を行っていくというもの。遅れたこどもには追加で学習サポートもある、そういう学校復帰をめざすフリースクールもあります。 また、専門家がサポートするフリースクールもあります。例えば、学習障害があるこどもたちには、さらに専門的に医療機関と連携して指導援助をするところもあります」 さらにフリースクールに通うことも難しいケースでは、スタッフが自宅を訪問してケアをする場合もあるそうです。最近ではオンライン参加も可能というフリースクールもあります。 北辻「また、独自の教育内容をするフリースクールもあります。芸術やスポーツなどひとつのことに秀でているこどもたちがいます。本人もそれを望む時は、そういう項目を中心としてプログラムを組み立てるフリースクールもある。いろんなタイプのフリースクールがあります」
登校のみが目標ではなく
フリースクールは民間による機関ですが、国の支援はどうなっているのでしょう? 北辻「2017年に施行された教育機会確保法という法律があります。十分な義務教育を受けられないこどもたちに教育を受ける機会を確保するため、フリースクールなどの民間団体との連携が挙げられています。 重要なポイントとしては登校という結果のみを目標にするのではなくて、こどもたちが自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目的とすると書かれています。 フリースクールを通して、学校以外の居場所を与えて、復帰させるということが国の法律でも定義されています」
フリースクールの課題
一方、フリースクールには課題もあるようです。 北辻「フリースクールは民間の経営なので、塾と同じように費用がかかります。その補助を国がどこまで進められるか。 小中学校によっては、フリースクールに通うことで学校の出席扱いにするところが多いです。が、高校の場合はそれが可能でないところが多いです。これも今後の課題です。 解決しなければならない課題は多いですが、こどもたちを守るという方向性は一致していますから、これからもフリースクールは大切な存在です」 (みず)