【申真衣さん】が最後にママたちに伝えたい「お金の不安の解決法」とは?|VERY
あの時、転勤を選べなかった自分。それが大きな糧になった
これまでこの連載では、その時々で私が考えること、思うことを話してきました。そのせいか、さまざまな人に「シンマイさんは物事に迷わないですよね」なんて言われることもありますが、私にも後悔や挫折はあります。 今でも忘れられないのが、社会人2年目でロンドン転勤を打診されたこと。特に根拠もないのに、うまくいかなかったら恥ずかしい、怖いという思いから、結局その選択肢を取りませんでした。もしあの時にロンドンに行っていたら、仕事を通じて出会った今の夫とも結婚していなかったかもしれません。運命は不思議なもので、そう思うと結果オーライですが、勇気を出さなかった自分がかっこ悪いと思っているのは確かです。だから、その失敗を糧にして生きようと決意しました。それ以来「なんとなく怖いから踏み出さない」ことがほぼなくなったような気がします。
前職を辞めて起業する際も、リスクが大きいと散々言われました。うまくいかなかったからといってすぐに無一文になるわけでもないのに、リスクってなんだろう?と考えたとき、「失敗したと思われるのが恥ずかしいだけ」と気づきました。それだけのことだと思うと、もう迷う理由はなくなります。 ビジネス書のベストセラー作家の水野敬也さんが仰っていた、「アウェイな場所でも、通い続ければ慣れてくる」という言葉に深い感銘を受けました。小さい失敗を積み重ねていくと、心が失敗に対して強くなります。少なくとも「何だか怖いから動けない」ことはなくなるはず。生まれつきのメンタルの強さなんて関係ないのです。これからも私と一緒に、小さい失敗を繰り返しながら前に進み続けていきましょう。2年5ヶ月の間、ご愛読いただきありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。 撮影/須藤敬一
取材・文/樋口可奈子