【まとめ】絶対感動!ヒューマンドラマ映画37本!
差別を排除し、正当に評価する理想の上司!『ドリーム』
NASAに勤務する3人の黒人女性を主人公にした本作は、1960年代が舞台。最先端のNASAですら人種や男女の差別意識が色濃く、3人は仕事が優秀でも正当に評価されない。自分たちだけで闘っても、なかなかこじ開けられない扉。それを開いてくれるのが、ケビン・コスナー演じる理解ある上司ハリソンだ。 3人のうち、複雑な計算を得意とするキャサリンは、新たに配属された白人男性ばかりの部署で才能を発揮する。だが、有色人種用のトイレは800mも離れたビルにあり、コーヒーポットも白人用は使えないなど仕事に支障をきたす。そんな実状をハリソンが打ち破るエピソードが、あまりに爽快! さらに黒人女性ばかりの計算部でスーパーバイザーを務めるドロシーは、自身の昇進問題と葛藤しながら、同じ部署のメンバーをまとめ鼓舞するなど、あちこちに上司と部下、師弟のエピソードが登場する。NASAを陰で支えた主人公たちの功績は、後の世代の道を切り開いただけでなく、この映画を観た現代のわれわれにも勇気を与えることになった。映画自体が“人生の師”として学べるレベルなのである。
進むべき道をやさしく教えてくれる師の姿に憧れる!『小説家を見つけたら』
本当に自分はこの道を進んでいいのか? 才能はあるのだろうか? そんな迷いを感じたとき、冷静な判断と経験をもとに、やさしく背中を押してくれる。それが理想の“師”なら、本作の登場人物はまさに当てはまるだろう。16歳の黒人少年ジャマールが、友人にそそのかされて侵入した老人のアパートに、創作ノートが入ったリュックを置き忘れる。戻ってきたノートの文章は、赤字で添削されており、その老人がピュリツァー賞も受賞した有名作家だと発覚する。 作家に文章を教えてもらうジャマール。その関係は師弟関係の理想像だが、一方で文章が急速にうまくなった彼に、学校の教師は疑いの目を向ける。こちらの関係は、パワハラの様相もちらつく。同じ人生の師の立場として、作家と教師のコントラストが絶妙だ。本作はガス・ヴァン・サント監督で、やはり麗しき師弟関係を盛りこんだ名作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を撮っている。2作とも、ラストシーンとその余韻が絶品なので、是非観比べてほしい。