凄まじいまでの「投げ売り相場」でやるべきこと、震災パニックという「暴落相場」で得た5つの教訓
この日はルートを変え、つくば駅からバスを乗り継いで実家を目指したが、バスに乗ると国道は大渋滞だった。倒壊した家屋などを横目に、どうにかたどり着くことができた。14日の月曜日、火葬場には自分たち以外、誰もいなかった。 ■「ざっと1000万円以上」が吹き飛んだ 携帯電話は生きていたが、証券会社のホームページには接続できない。かろうじて株価だけはヤフーファイナンスで確認できたが、「ざっと1000万円以上が吹き飛んでいるな」と確認できただけだった。決済したくとも、市内のインターネットカフェはすべて休業だった。
なぜ月曜日に損切りできなかったのか。多分、私と同じような状況だった人が多かったからだろう。私などはまだ良いほうで、ライフラインの確保に精一杯だった人も多かったはずだ。 もしも取引が可能な環境であっても、ストップ安に張りついた状況を見れば、恐れをなして、「明日になれば」とあらぬ期待を持ってしまった人もいたと思う。実際に火曜日になってみると、今度は原子力発電所の問題が噴出し、さらに状況は悪化した。 私はというと、火曜日の15日、会社があるはずなので東京へ戻ろうとしたが、計画停電のため、つくば駅で足止めを食らった。
仕方なく、インターネットカフェを探し、やっと見つけた店で13時20分、メインの証券口座へ金曜日以来、4日ぶりに接続することができた。こんなに口座を見なかったことはない。 ただし、店は15時で閉めるという。慌てて口座の状況を確認し、対応する。口座の維持率は100%を割っていた。 維持率とは信用取引の安全性を示す比率だ。大ざっぱにいえば、信用で建てたポジションの総額(建玉)と、差し入れている担保証券現金との比率だ。これが100%を割っていれば、担保よりも建玉のほうが大きいということだから、いわば「債務超過」で相当危ない。
■「底打ち」が近そうな銘柄に買い替えることに 個別の株価を見ると、保有額の大きい10銘柄は軒並みストップ安かそれに近い状態だった。 ただストップ安売り気配の銘柄ばかりではなかった。ストップ安の価格で値がついているか、あるいはストップ安の1~2円ほど上で注文が成立している銘柄もある。 こうした状況を見るとストップ安ラッシュは終わりに近そうで、「原発問題は株価にほぼ織り込まれようとしており、底値は近い」と感じたが、維持率が100%を割っている状態では、おいそれとは新たな株を買えない。