西武の松坂引退を米メディアも報道…「紆余曲折した長い野球の旅がついに終わりを迎える」
NBCスポーツのボストン支局は「上原浩治が、元レッドソックス投手の松坂の引退を惜しむ」との見出しを取り、レッドソックスでクローザーとして活躍した上原氏がSNS上で発信したねぎらいのメッセージと絡めて、松坂の引退を伝えた。 同メディアは、「松坂の紆余曲折した長い野球の旅がついに終わりを迎える」と、その栄光と挫折を味わった22年間の現役生活を表現した。記事は「レッドソックスが2007年シーズンの前に5110万ドル(約56億6000万円)の途方もないポスティング費を払い、5200万ドル(約57億5000万円)で6年契約を結んだとき、松坂は日本ですでに伝説の投手の1人だった」と紹介。 「『Dice-K』は、大きな熱狂に応えることはできなかったが、彼はボストンで頼りになる6シーズンを投げ、1年目にはワールドシリーズ優勝に貢献した。彼はまたメジャーリーグを目指すために日本を離れてレッドソックスにたどり着いた上原浩治や、田沢純一のような日本人投手に道を拓いた。上原は、火曜日の夜、彼の引退ニュースの最中にインスタグラムで心からのメッセージを送った」と続け、レッドソックスでの功績を称えた。 ボストン地域のスポーツ局NESNは、「元レッドソックス先発の松坂が2021年シーズン後に引退」との見出しを取り、「20年以上の現役生活を終え松坂がプロのキャリアを閉じることになる」と報じた。 「昨年、松坂は頸椎の手術を受けたが、右手のしびれと依然として戦っている。彼の身体面での苦闘は、新型コロナウイルスのパンデミックで観客制限のあるシーズンを送りメンタル面の影響がある中でもたらされた。彼は2019年を最後にプロの試合に登板していない」と引退に至った経緯と近況を報告。 その上で「レッドソックスは松坂に魅了され2006年に契約の交渉をするためだけに(当時のポスティング費用の)5110万ドル(約56億6000万円)を支払った。彼は6年5200万ドル(約57億5000万円)の契約を結び、ルーキーでチームのワールドシリーズ優勝に貢献した。彼はメッツでメジャーリーグでのキャリアを終えたがレッドソックスでの6年を通して通算117試合で50勝37敗、防御率4.52の成績を残した」と功績を称えた。 さらに「信頼できる投手だった一方で彼はボストンの期待に完全には応えられなかった」と厳しい論調を加えながらも「だが、(功績が)何もなかったかと言えばそうではない。松坂は(他の選手の)刺激となった。元レッドソックスの投手である上原浩治はインスタグラムで彼に敬意を表した」とし、上原から現在所属の沢村拓一まで続くレッドソックスでの日本人投手の道を切り拓いたことを評価した。 またレッドソックスの地元のボストングローブ紙もチームの近況を伝える記事の中で、松坂引退のニュースを紹介。「元レッドソックス右腕の松坂が今シーズン限りでの引退を発表した。40歳(の松坂)は2015年に日本に戻ったが、故障のため2019年を最後に投げていなかった。松坂はレッドソックスの2007年から12年まで50勝37敗、防御率4.52だった。彼は最初の2シーズンで33勝15敗、防御率3.72だったが、その後の4シーズンでわずか先発55試合にとどまった」とレッドソックス時代の成績を改めて説明した。 残り30勝に迫っていた日米通算200勝には届かなかったが、松坂が残した栄光の軌跡は、日米に跨って永遠に語り継がれるものとなった。