西武の松坂引退を米メディアも報道…「紆余曲折した長い野球の旅がついに終わりを迎える」
西武は7日午前に松坂大輔投手(40)が今季限りで現役引退することを発表した。本人のコメントはなかったが、渡辺久信GMは「このような決断に至り本人も大変悔しい思いをしています」と、松坂の気持ちを代弁した。 2015年にソフトバンクで日本球界復帰した松坂は、故障に苦しみ、その後、中日で2年プレーした後、古巣の西武と2019年のオフに1年契約を結んだ。2020年は新型コロナ禍により開幕が大幅に遅れたこともあり、オープン戦に登板するなど1軍登板に向けて調整を進めていたが、手にしびれが出たため7月に「脊椎内視鏡頸椎手術」を受けた。圧迫を受けていた神経を正常化させようとしたが、状態は回復せず、1軍どころか2軍登板もゼロ。今季は2軍キャンプからスタートしブルペンにも入ったが、実戦登板できるまでにはならなかった。 渡辺GMは「“メットライフドームで勝利する”ということを目標に大輔自身、厳しいリハビリに耐えながらここまでやってきました。ライオンズファンに自身の姿を見せることができていない日が続き、体調面もなかなか向上せず、ずっと苦しい思いをしてきたと思います。実際、今年もここまでずっと、球団施設などで毎日復帰に向けて必死にリハビリやトレーニングを重ねる大輔の姿がありました」と、苦悩の日々を説明した。 渡辺GMによると松坂は「現在、体調面、精神面でも決して万全とは言えない状況」とのこと。それらが回復した段階で、正式な引退会見が設定され、本人の口から決断理由などが説明されるという。 本人への取材が殺到していることから、渡辺GMは「今は双方の回復に専念をさせていただきたく、ぜひ皆さまには彼のことを引き続き、温かく見守っていただけますと幸いです」と呼びかけた。 横浜高時代に甲子園で春夏連覇。「平成の怪物」と呼ばれた松坂は、西武入団1年目から3年連続で最多勝を獲得するなど、西武時代にタイトルを総なめにして、阪神の藤川球児氏、横浜から巨人の村田修一、ソフトバンクの和田毅ら1980年生まれの同学年で活躍した選手が多かったため「松坂世代」との造語を生み出した。 2006年オフにポスティングでレッドソックスへ移籍。2007年には15勝をマークしてワールドシリーズ制覇に貢献、翌年は18勝した。2011年にトミー・ジョン手術を受けるなど故障にも苦しんだが、レッドソックスで6年、メッツで2年プレーしてメジャー通算56勝43敗1セーブの成績を残したこともあり、米メディアも、松坂引退のニュースを報じた。