なぜか夫とぎくしゃくしてしまう...「身近な人間関係にひびを入れる」3つの言葉
やっちゃった「あと」が人間関係の最大の分岐点
もっとも効果的に、かつ劇的に身近な人間関係を好転させる方法、それは「ごめんなさい」をすかさず、軽やかに伝えることです。 相手との関係をよくしていくうえで、日頃から感謝の言葉を伝える、ねぎらう、ほめる、肯定する、挨拶をする、プレゼントを贈るといった方法も、もちろん効果はありますが、相手との関係がピンチの場面、つまり「ごめんなさい」が必要になるような場面で、どう対応するかによって、そのあとの関係が決まります。 やっちゃった「あと」が人間関係の最大の分岐点になるのです。 不祥事を起こした「あと」に言い訳や反論を繰り返して、辞職に追いこまれる政治家を見てもわかりますよね。普段、どんなにとりつくろえていても、「ごめんなさい」を言えないことが信頼関係の致命傷になるのです。 「ごめんなさい」は、短期的には、トラブル回避の潤滑油の役割を果たします。そして、長期的には、身近な人との関係を、より強くしていく効果があります。つまり、もっと、もっと相手と仲よくなれるということです。 筋トレ経験のある方はご存じだと思いますが、筋肉は、負荷をかけることで筋繊維が傷ついて、それが修復していく過程で、強く、太くなるといいます。骨も、一度折れて治ったところは、折れる前よりも、強く、太くなるといいますよね。 人間関係も同じです。ピンチにおちいったときに修復する技術を知っていると、トラブルの前よりも、強く、太い関係を相手と結びなおすことができます。 「ごめんなさい」の技術を身につければ、あなたの身近な人間関係の悩みは確実に減っていくはずです。
多くの人が素直に謝れなかったことに後悔している
これまで私は、プロのコーチとして、日本を代表する大手企業や外資系企業、ベンチャー企業、家族経営の会社などで、2万人以上のリーダーを対象にコーチングやリーダーシップの指導を行なってきました。 たくさんの方のお話を聞いてきたなかで、気づいたことがあります。それは、本当に多くの方が、身近な人に「ごめんなさい」を伝えられていないことに後悔しながら生きているという事実です。 コーチングでは、よく「未完了リスト」というものをつくります。「やろうと思っているけれど、やれていないこと」を紙などに書きだして、1つずつ実行に移していくものですが、このリストにしょっちゅう出てくるのが「あの人に謝りたい」「今さらだけど『ごめんなさい』を伝えたい」ということ。 自分に近い関係の人ほど利害関係が複雑にからんでいて、面倒くさく、やっかいなので、なかなか素直に謝れず、事態がどんどん深刻になっていくのでしょう。
林健太郎(合同会社ナンバーツーエグゼクティブ・コーチ)