深刻化する水害、損害保険料は値上げへ――リスクある地域は大幅にアップするのか?#災害に備える
「熊本県が球磨川流域の復興基金を作り、その基金のメニューの一つに保険加入に対する支援という項目があります。この基金を活用し、人吉市も市費を投じ、水災保険の加入を支援します。住まいの再建が途中の方もいるなか、水災保険の値上がりで負担が増えると、保険の加入自体をためらう方がいるかもしれません。その負担を軽減するのが狙いです」 ただし、この助成は今秋からの値上げ対策であって、目下、損害保険料率算出機構が議論している地域格差による保険料率上昇の対策ではない。今後の本格的な値上げでは一挙に数倍まで上がることも想定されるが、そうした助成についても考えていきたいと市長は言う。 「災害が激甚化する昨今、ありとあらゆる策をとっていかないと、人命や財産は守れません。水災保険への助成は、再来年ぐらいまでならどうにかなりそうな予算を組みました。2年後に水災保険の大幅値上げがあるとすれば、今後さらなる支援策を進めていきたいと考えています」
------ 岩崎大輔(いわさき・だいすけ) ジャーナリスト。1973年、静岡県生まれ。講談社「FRIDAY」記者。主な著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎「異形の宰相」の蹉跌』『激闘 リングの覇者を目指して』『団塊ジュニアのカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』など。