3歳までの味覚が一生の好みを決める!?反抗期は「我が家の味」で一息…がん予防と100兆近い腸内細菌の整え方
「我が家の味」は反抗期の癒し飯にも
「3歳くらいから子どもはいろいろなものを食べ始めるので、『我が家の味』というものを一品で良いので作ってみてください。人間には『これを食べると癒される』という味があるようです」 忙しい時は無理をせず、ゆとりができた時に作ってみよう。 その一品は子どもが反抗期に突入した時の“癒し飯”になることもあるという。 「思春期になるとホルモンが嵐のように体内に出てきて脳がパニックを起こします。本人もどうしていいかわからない状態になり、時には親に暴言を吐きますが、それは本人ではなくてホルモンが言わせているので本気にしてはいけません。そんな時は『我が家の味』を作って黙って出してあげる。穏やかになることもあります」 時には子どもと一緒に料理をするのも良い。 特に男の子は高齢になった時の幸福度が違うという。 「奥さんに先立たれた時、残された男性はすぐに亡くなる方が多いですが、自分で料理を作れる人は大丈夫です。小さい頃に作った経験があると、しばらくブランクがあってもいざとなったらできるもので、子どもの頃の食育はとても大事です」 働きながらの育児は忙しく大変だが、1週間に一度で良いので手作りに挑戦してほしい。子どもの頃からのバランスのとれた食事は、将来の生活習慣病やがん予防につながるからだ。 食の欧米化も影響して、日本人の2人に1人はがんに罹患する時代。がんは細胞の核にある遺伝子の傷の修復がうまくいかないところから始まるが、1個のがん細胞から1センチの大きさになるのには約20年近くかかるという。
注意したい発がん性物質
がん細胞は1個のうちはリンパ球が100個あればやっつけることができる。しかし包囲網をすり抜けて生き延びると増殖をはじめ、それを助ける物質があるといつの間にか手の付けられない無法者になってしまうのだ。 がんの発生には3つの段階がある。 細胞のDNAを傷付ける「イニシエーター」(発がん物質)、立派ながんに育てる「プロモーター」(発がん促進物質)、さらに大きく育てる後ろ盾「増殖促進物質」だ。 「イニシエーター」は放射線、紫外線、たばこはもちろんのこと、わらびや焦げたもの、カビ、食品添加物など食べ物にも含まれる。 魚の臭みのもとになる2級アミンは、ハムやソーセージの発色剤として使われている亜硝酸塩と一緒に胃の中に入ると、酸性の胃液で反応が進み強烈な発がん物質を産生することがわかっている。魚や肉は新鮮なうちに食べることを心がけよう。 「プロモーター」の代表格は、塩分と高カロリー食。 塩辛い食品の食べ過ぎは胃がんを誘発することはよく知られているが、油脂の多い高カロリー食は大腸がんやすい臓がん、乳がんを促進させる危険性がある。 では、どういった食材ががん予防に良いとされているのか。 個々の食品と栄養素を見ていこう。 米国がん研究財団と世界がん研究基金の調査によると、ビタミンAやβカロチン、ビタミンC、Eなどはがんを抑制する効果があるという。 また、食物繊維は腸管で吸収されないため、入ってきた発がん性物質を吸着して便と共に体外に排泄する作用がある。 ポリフェノールは抗酸化作用が強いので体内の活性酸素の発生を抑え、がんや動脈硬化の予防に働く。そしてアブラナ科の野菜やきのこにも抑制物質が見付かっている。