高齢者が元気で生き生きと活躍することが日本の発展に欠かせない「シルバー人材センター事業」の取り組みに生島ヒロシが迫る
◆シルバー人材センターには多種多様な仕事がある
生島(勇):現在、会員の数はどれぐらいですか? 土田:全国に約68万人の会員がいます。 生島:シルバー人材センターから派遣されると、どういうところに出向く方が多いんですか? 土田:今までですと、草刈りですとか庭の剪定、駐輪場の管理をイメージされる方が多いと思いますが、最近は保育園や児童クラブなどでお子さんと接するお仕事があります。 あるいは、これまでの知識や経験を活かしてパソコン教室とか語学指導といったような仕事もございます。また、一般家庭の家事援助ですとか、子育て支援サービスなどのお仕事もございます。 生島:時給的にはどれぐらいになりますか? 土田:少なくとも民間の最低賃金以上の利用料金はいただくという原則でおこなっております。 生島:これから先は働き手不足と言われていますから、ある意味ニッチな部分を埋めていく役割もあるわけですよね。 土田:ニッチといえば、各地で工夫された取組みがあります。たとえば、地域の特色を活かして観光地では観光ガイドのお仕事、農業地帯ではシルバー農園という形で高齢者のみなさんが耕作をして、そこで採れた野菜や果物を販売します。さらには加工して食品にしたり、食材を活かして食堂を運営するというようなこともやっているところもあります。 生島(勇):ふるさと納税もあるんですよね? 土田:そうですね。たとえば、最近は空き家が増えてきたりとか、特にコロナ禍はなかなか帰省できないということもございましたので、空き家の管理ですとかお墓の清掃などの代行をふるさと納税の返礼にしているところもあります。 生島:へええ! そういうところでもシルバー人材を活用できるんですね!
◆団塊世代の“生きがい”を担っていきたい
生島:シルバー人材センターに登録してよかったという声は聞きますか? 土田:「生きがいができた」とか、「健康にいい」「仲間ができた」といった声を多くいただいております。 生島:最近は独居の老人が増えているという話もありますけども、そういう方がシルバー人材に登録することによって、QOLが上がったり、生きがいも生まれそうですね。 土田:これからどんどん高齢化が進んでいきますし、今は70歳代中盤が主力層なんですけども、今後は団塊世代のみなさんが80歳代に移行しますよね。そういった方々の生きがいや居場所を引き続きシルバーで担っていきたいと考えております。 生島:日本の場合ですと、65歳以上が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者となりますよね。そもそも、65は(高齢者扱いとして)早すぎるんじゃないかなって思うんですよ。僕は今73歳ですけども、75からが高齢者でもいいんじゃないかなって思っちゃいますけどね。 土田:そういった議論も政府のなかではおこなわれていたようです。 生島:団塊の世代が70半ばから80近くになっていますが、団塊の世代はいろいろな刺激を受けて育ってきていますので、シルバーになっても生き生きと元気な老活を実践できる「アクティブシニア」が増えてきていますよね。社会貢献にもなりますし、働き続けることによっていろんな可能性が出てくるんじゃないかなと思いますね。