なぜ琉球ゴールデンキングスがイタリアへ?…Bリーグ初の「欧州遠征」が示す“日本バスケの現在地”
■欧州から見た「日本バスケ」の印象
競技レベルの面からも、日本バスケの注目度が高まっていることはコーチ陣のコメントからうかがえた。7日にあった琉球との試合後会見で、クロアチアやボスニア・ヘルツェゴビナの代表監督などを務めてきたトラパニ・シャークのジャスミン・レペシャHCに日本バスケの印象を問うと、以下のようなコメントが返ってきた。 「5年ほど前、私は日本の学生やプロチームのコーチ向けにクリニックを開くために、東京に2週間滞在しました(※2018年のJBA主催のコーチクリニック)。それは素晴らしい経験でした。日本のチームは走ってシュートして、走ってシュートしてを繰り返し、相手は集中しないといけない。ディフェンスも走って戻り、良いファウルやボールをカットしたりして基本を貫いています」 パリ2024オリンピックで銀メダルを獲得したフランスに対し、グループリーグで対戦した日本代表が第4クォーターの残り10秒まで4点をリードしていた試合にも触れ、こう続けた。 「日本に対するリスペクトやトランジションディフェンスの集中を欠いたフランスに対し、日本ははるかにいいプレーをしました。だからこそ今夜の試合前、私はチームに対して『今日は高いレベルのトランジションディフェンスやイージーバスケットをする相手と練習ができる』と伝えました。それは正しかったです。私たちは(琉球との試合に)とても多くのエナジーを費やしました」 強豪のウマナ・レイエ・ヴェネツィアを率いた2016~2023年に2度のセリエA優勝、FIBAヨーロッパカップ優勝などを成し遂げたデルトナ・バスケットのウォルター・デ・ラファエレHCも、コメントの合間にたびたび「congratulations」と言いながら日本バスケに対する見解を語った。 「本当に成長しています。Bリーグの試合もテレビで多く見ましたが、多くの素晴らしい選手、素晴らしいコーチがいる。NBAのスタイルに近い部分もあれば、ヨーロッパのバスケに近い部分もある。だから『おめでとう』と言いたいです」 最後は笑みを浮かべながら「we need to watch out(私たちは警戒しないといけない)」という言葉で締め括ったラファエレHC。日本代表は急激にレベルが上がってはいるが、最新のFIBAランキングでは21位とまだまだ世界的に見れば挑戦者の立ち位置に変わりはないため、多少のリップサービスはあるかもしれない。それでも要注目の対象となっていることは間違いないだろう。