ラーメン官僚を唸らせる和歌山市の4軒!ご当地ラーメンも個性派も名店揃い
スープの食感が明確に骨っぽい点も、「泥濃鶏白湯」の特筆すべき個性だ。近畿圏に広く浸透する、ソフトな口当たりと上品な甘みを前面に押し出した「泡系鶏白湯」と対極をなす「硬質」な1杯。そのレアリティの高さゆえに、記録のみならず、記憶にも残る食味を演出することに成功している。 スープを過不足なく巻き取り、着実に口元へと運び込む中太麺にも、比類なき頼もしさを感じた。ご興味がある方は、ぜひ一度足を運んでもらいたい。 麺屋鳥見本(六十谷店) 住所:和歌山市六十谷18-1 営業:11:00~14:30/17:00~スープ切れ次第終了 定休:月曜夜・火曜
名店④ 和歌山最強の行列店「ラーメン 丸花」
最後に紹介するのは、「ラーメン 丸花」。和歌山市内における最強格の行列店にして、「横浜家系ラーメン」を提供する個人店舗。屋号に「丸」が付くので、「和歌山ラーメン」を出す「車庫前系」の店と勘違いされがちだが、さにあらず。れっきとした「横浜家系ラーメン」の専門店だ。 同店のオープンは、2009年11月。和歌山電鉄貴志川線・日前宮駅から約1.6kmと、最寄り駅からやや距離があるが、開店から閉店まで、店前には常に長蛇の列が連なる。公式営業時間は11時から17時までとなっているが、17時までスープが残っていることは、殆どない。 ちなみに、同店の店主は「山為食堂」のご出身。山為食堂は、「井出系」、「車庫前系」のいずれにも属さない独自の和歌山ラーメンを提供する、和歌山市を代表するビッグネームのひとつ。同店で修業した店主が、今度は和歌山ラーメンですらない「家系ラーメン」を紡ぐ。師匠、弟子ともに、周りに左右されず我が道を行くスタイルを貫いているように感じるのは、私だけだろうか。
さて、現在、同店が提供する麺メニューは「塩豚骨」、「醤油豚骨」及びそのバリエーション。どちらを食すべきか、迷う気持ちは大いに理解できるが、いずれか一方と言われれば、私は「塩豚骨」を推したい。