ラーメン官僚を唸らせる和歌山市の4軒!ご当地ラーメンも個性派も名店揃い
店内外の雰囲気も、市内の既存店舗とは一線を画している。「町家」のような木材造りの店舗に、白地に黒文字で「En」の屋号が刻まれた大きな暖簾を掲げたファザードは、作り手のセンスの良さが垣間見えるもの。扉を開けると眼前に広がる和食料理店のような内観も、ラーメン店とは思えないほどの高級感を持ち合わせる。 提供される麺メニューは、「うーめん」と名付けられた、1日50杯限定の昆布水つけ麺のみ。
しなやかで瑞々しいストレート麺に、小鉢に盛り付けられた漆黒の「炭塩」を付け一気にすすり上げれば、舌上で、麺に付着した昆布水と塩のうま味が交ざり合い、胃袋は一気に臨戦態勢に。「南高梅ペースト」や「釜あげしらす」など、和歌山県の名産品を随所に織り込む試みも、画期的だ。 キレ味鋭い醤油ベースのつけダレと麺との相性も抜群で、色々な食べ方を試しているうちに、丼が空っぽになってしまっていた。いわゆる「淡麗つけ麺」が食べられる店舗がまだまだ少ない和歌山市に、突如として舞い降りた新星。加太エリアの観光と合わせて、実食あれ! En(えん) 住所:和歌山市加太1023-1 営業:10:00~18:00 定休:水曜
名店③ 非ご当地のビックネーム「麺屋 鳥見本(六十谷店)」
続いて紹介するのは、「麺屋 鳥見本(六十谷店)」。場所は、JR阪和線・六十谷駅から徒歩7、8分程度。ちなみに六十谷は難読地名だが、「むそた」と読む。 同店は2013年9月、「鶏白湯ラーメン」をメインに提供する店として開業。 「鳥見本グループ」はその後、2020年12月に和歌山市(和歌浦)に「油そば」を提供する2号店、2022年12月に岩出市に「鶏清湯」と「貝清湯」を主力商品に据えた3号店をオープン。2024年現在、和歌山県内に3店舗を展開する、非ご当地系のビッグネームだ。
上述したとおり、「鳥見本(六十谷店)」は「鶏白湯」系の「鶏骨らーめん」の提供からスタートしたが、現在、提供する麺メニューは、「鶏白湯」系の「泥濃鶏白湯(塩・醤油)」、「特濃鶏白湯(塩・醤油)」に加え、「貝清湯(塩・醤油)」、「鶏油そば」、「節白湯つけ麺」など、極めて多彩。いずれの品も甲乙つけがたい完成度を誇るが、初訪問時に実食すべきは、メニューリスト筆頭を飾る「泥濃鶏白湯(塩)」だ。 鶏の骨をしっかりと丁寧に炊き上げたコク深い白濁出汁を、塩カド鋭利なカエシが土台として支え抜くスープは、乳白色の穏やかな見た目とは裏腹に、ひとすすりで強烈なうま味が味覚中枢のド真ん中を貫く、アグレッシブな味わい。