突然「学校に行きたくない」と言われたら?1回休ませたら休みグセがつく?専門家が回答
保護者の不安Q&A
【保護者の不安Q&A 01】 Q 1回休ませたら、このままズルズルと不登校になるのでは… A 1回休んだから不登校になる、ということはありません たいていの場合は、少し休んでもまた行けることがほとんどですし、本人も背中を押される言葉を待っていることがあります。「絶対に明日行かせないと」と思わず、子どもの気持ちに寄り添いながら、タイミングをみて登校を促してあげてください。1回休んだあとずっと不登校になるということは、もうすでに子どもの状態がギリギリで、長期で休まないといけないときだった、ということです。
【保護者の不安Q&A 02】 Q どれくらいで学校に相談すればいい? A 気になることがあるなら、初日からでもOK 行きたくない気持ちの程度にもよりますが、子どもの様子で気になることがあれば、「学校に行きたくない」と言ってきた初日から学校に相談して構いません。変にごまかさず、「本人が学校に行きたくない気持ちが強いので、今日はお休みします」とわかる範囲で伝えると、学校も早めに原因や対応を考えていくことができます。
【保護者の不安Q&A 03】 Q 両親で意見が違う! A 意見の違いを伝え、子どもの意思を尊重して 両親で「行くべき」「少しくらい休んでも」と意見が異なっている場合、違いは違いとして子どもに伝えることも、本人が考えるきっかけになるでしょう。大切なのは、大人の意見を押し付けず、本人の意思を尊重することです。 また、「絶対に行かせるべき」あるいは「ほうっておけばいい」というような間違った対応で揃っていると、子どもは追い詰められてしまうことがあります。無理に意見を一致させようとせず、その子にとってよい対応を、家庭や学校、カウンセラーとともに考えていっていただきたいです。
PROFILE 松尾直博 東京学芸大学 教育学部 教育心理学講座教授 博士(心理学)。公認心理師。臨床心理士。学校心理士。特別支援教育士スーパーバイザー。専門は、臨床心理学や学校心理学。幼稚園、小中学校でのスクールカウンセラーの経験多数。 主な著作に『絵でよくわかる こころのなぜ』(学研プラス)『ポジティブ心理学を生かした中学校学級経営 フラーリッシュ理論をベースにして』(明治図書出版・共著)『コアカリキュラムで学ぶ教育心理学』(培風館・共著)などがある。