独自大会V狙う大阪偕星に夢を追う“ドミニカン留学生“…「甲子園から日本のプロ野球、そしてメジャーへ」
注目されるのは豪打が売りのダビットだ。右投げ右打ち。177センチ、96キロの堂々たる体格。よほど日本の環境や食事が合ったのだろう、来日して1年半あまりで体重は22キロも増えたという。それがパワーアップにもつながったのか。筆者が取材に訪れた際のシート打撃では結果は出なかったが、そのスイングスピードは、高校生離れしており、まるでデスパイネを見ているよう。ここまで対外試合では7本塁打をマークしている。 「粗削りな面はまだまだ残っていますが、ストレートにはめっぽう強い。遠くに飛ばす能力は天性のもの。さすがドミニカンといったところですよ」 2015年に激戦区大阪を勝ち抜きチームを夏の甲子園へ導いた熱血指導で知られる山本監督も、そのポテンシャルを高く評価する。 本人も飛ばすことには自信がある。簡易通訳機を使い取材すると、こんな答えが返ってきた。 「ドミニカでは13歳から始まるリーグで1試合2本塁打したこともあるんです。通算でも30本は打っています」 憧れているのはトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロ・ジュニアだ。20歳だった昨年、メジャーデビューするとオールスターのホームラン競争に出場。豪快なスイングで注目を集めた。父はMLB殿堂入りを果たしている母国の英雄でもある。 「いまは学校のためにがんばって、将来は彼のようなバッターになりたいんです。実はドミニカで直接、会ったこともあるんです。めちゃ格好良かった」 それでもまだ高校2年生。日々、課題と向き合っていて、本人も現在のテーマを2つ挙げた。まずは走力。 「入学したときは、ワーネルと変わらなかったけれど、いまは遅くなったんです。体が大きくなったから」と照れながら白い歯をこぼした。 守備はレフトで肩は強い。 もうひとつは変化球への対応。現在はカーブを打つ練習に重点的に取り組んでいるそうで、ダビットが身ぶり手ぶりを交えながら教えてくれた。 「日本のピッチャーは変化球が多いです。監督さんから”プロ野球の動画を見て研究しなさい”と言われ、様々な映像を見ています。参考にしているのは巨人の丸選手のバッティング。打った後も頭がしっかり残っている。めちゃ凄いと思った」 ちなみに「頭がしっかり残っている」というのはダビットの身ぶりから筆者が感じ取ったもの。「めちゃ凄い」はダビットが話した日本語である。