なぜ大迫勇也はブレーメンでゴールを量産できているのか?
心技体が至高のハーモニーを奏でている状態で、FW大迫勇也(29)はモードをブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンから、カタールワールドカップのアジア2次予選に臨む日本代表へ切り替えた。 帰国直前の1日に行われたFCアウグスブルク戦の前半6分に先制弾を、後半22分には勝ち越し弾をゲット。リーグ戦3試合目にしてブレーメンを今季初勝利に導くとともに、ドイツカップを含めた公式戦4試合で4ゴールを量産する絶好調ぶりを引っさげて森保ジャパンに合流している。 「チームのなかでしっかりと責任感をもって、中心としてプレーさせてもらっているので。毎試合、毎試合、自分にプレッシャーをかけながらやっています」 パラグアイ代表と対峙する5日のキリンチャレンジカップへ向けて、試合会場の県立カシマサッカースタジアムで行われた4日の公式練習後にメディアに対応した大迫は、加入して2シーズン目になるブレーメンにおける立ち位置の変化をゴールラッシュの要因にあげた。 昨シーズンの大迫は出場21試合でわずか3ゴールだった。日本代表の一員として臨んだ1月のアジアカップ後に、背中の腱が炎症を起こしていることが発覚した。しかし、合流と再発を繰り返した影響で、復帰するまでに約2か月もの戦線離脱を強いられたことだけが理由ではない。 ロシアワールドカップに参戦したことで、新天地への合流が遅れた。順応するまでに時間を要したうえに、ブレーメンのセンターフォワードには「10番」を背負うキャプテンで、昨シーズンを含めた3年間のリーグ戦で32ゴールをあげた元ドイツ代表のマックス・クルーゼ(31)が君臨していた。 必然的に大迫はゴールからやや遠目となる、トップ下やサイドなど中盤での起用が多くなった。しかし、今オフにクルーゼがトルコの強豪フェネルバフチェSKへ移籍。ポッカリと空いた最前線のポジションに、ブレーメンのドイツ人指揮官フローリアン・コーフェルトは大迫を指名した。 「監督からも自分のやりたいようにやらせてもらっているし、自分の特徴を出せるようにしてくれるシステムというのも大きい。だからこそ、結果を出し続けていかなきゃいけない、という責任感もすごく強いし、それがいいモチベーションになっている」