シネマの達人・石川三千花さんが描くフランス映画の中のかわいいバカンスファッション
夏はバカンスの季節。おしゃれとアムールの国の女性たちは旅先でも粋な着こなしを忘れません。石川三千花さんが映画の中のバカンスファッションを解説。 【画像一覧を見る】
cinema1/『なまいきシャルロット』 当時14歳のシャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、思春期の少女をみずみずしく描いた。母譲りのセンスなのか、「10代の子どもがマリンTシャツやデニムなどベーシックなアイテムの、自分流の着こなしをわかっているのがさすがです」と石川さん。監督、クロード・ミレール。1985年製作。 cinema2/『悲しみよこんにちは』 フランソワーズ・サガンの原作を元に、新人だったジーン・セバーグが若い女性の複雑な心情を表現。「ジーン・セバーグのショートカットが衝撃的なかわいさでした」。監督、オットー・プレミンジャー、セバーグの父親役はデヴィッド・ニーヴン。南仏が舞台だが、映画は1957年アメリカ製作。
cinema3/『太陽がいっぱい』 パトリシア・ハイスミスの原作をルネ・クレマン監督が映画化したサスペンスドラマ。舞台となるイタリアの海辺の街でマリー・ラフォレが見せるリゾートファッションがかわいい。アラン・ドロンがその美貌と演技で一躍スターダムに上がった作品。ニーノ・ロータの音楽も忘れがたい。1960年製作。 cinema4/『素直な悪女』 「フランス人はラフにはずして着るのが好き。休暇先でのちょっとしたお出かけに着るシャツワンピースも胸元やすそのボタンをはずして、ちらりと見せる。ヘアも無造作。作りすぎはダサいんですね」。ロジェ・ヴァディム監督、主演はブリジット・バルドー、ジャン゠ルイ・トランティニャン。1956年製作。
cinema5/『気狂いピエロ』 『勝手にしやがれ』と並びフランス・ヌーヴェルヴァーグの金字塔とも言われる作品。ゴダールのミューズ、アンナ・カリーナも定番のボーダーモチーフのワンピースを。靴はフラットシューズで決まり。監督、ジャン゠リュック・ゴダール、主演はジャン゠ポール・ベルモンド。1965年製作。