「意地悪な言い方をすれば国民民主党って…」池上彰が“103万の壁”を国民・玉木氏に直撃【池上無双炸裂】対談前編
自民、公明両党は衆院選で過半数割れに追い込まれ、少数与党となった。キャスティングボートを握ったのは衆院選で「103万円の壁」見直しを掲げて躍進した国民民主党だ。ジャーナリストの池上彰氏が玉木雄一郎氏に直撃した。(ジャーナリスト・池上彰 国民民主党・玉木雄一郎、構成/梶原麻衣子) 【この記事の画像を見る】 ● 3カ月の役職停止処分 国民民主党は「玉木さんの個人商店」か 池上 玉木さんには政策の話をたっぷり伺いたいのですが、まずは党の役職停止処分を受けた話から聞かなければなりません。 玉木 私に関する報道を受けて、多くの方にご迷惑、ご心配をおかけしました。党内の倫理委員会で調査を受け、出された答申を踏まえて、役職停止3カ月という処分が下りました。処分を誠実に、真摯(しんし)に受け止め、改めて初当選時の思い、結党時の思いに立ち返って、一兵卒として信頼回復と党勢拡大、何よりも政策の実現に努めていきたいと思っています。 池上 3カ月過ぎたら、また代表に戻られるということですか。 玉木 まずは3カ月、過ごす中で国民の皆さんからどのような評価をいただけるのかなども踏まえて、判断したいと思っています。 池上 この処分、よく言えば「やっぱり国民民主党に玉木さんは必要だ、3カ月たったら代表に戻ってきてくれ」というものだとする見方もできますが、一方でちょっと意地悪な言い方をすると、「結局、国民民主党は『玉木さんの個人商店』か」と受け取られるとも思うのですが。 玉木 確かに、結党以来、党を引っ張ってきた自負はあります。しかし一方で、例えば「103万円の壁」の引き上げについて交渉を担当しているのは国対委員長の古川元久衆院議員。また政調会長の浜口誠参院議員も、政策全般の取りまとめを担ってくれています。ずっと私を幹事長の立場で支えてくれている榛葉賀津也参院議員も、情報発信を担ってくれています。 このように国民民主党には私以外にも人材がそろっていますし、今回の選挙で新人も増えましたので、これを機に「玉木商店」というイメージから脱却したい、そのきっかけになればとも思っています。 池上 選挙後、大きな話題になっているのはいわゆる「103万円の壁」ですが、なぜこれを問題にしようと考えたのですか。