不規則な食生活、送っていない?40代・50代女性に多い「胆石症」なりやすい人の特徴は|医師が解説
不規則な食生活を送っている自覚のある人は注意が必要かもしれません。40代・50代女性は胆石ができやすくなるともいわれております。医師が解説します。 【写真】40代・50代女性に多い「胆石症」なりやすい人の特徴は ■胆石症とは、どのような病気なのか? 胆石症とは、胆のうや胆管に結石ができたものです。 食事中の脂肪の分解を助けている胆汁という消化液は肝臓でつくられていて、この胆汁を肝臓から十二指腸に運ぶ管を胆管といいます。 そして、胆管の途中で枝分かれする形で「胆のう」という袋状の臓器があり、胆のうは一時的に胆汁を貯めておき、油の多い食事を摂った際などには収縮して貯めておいた胆汁を十二指腸に排出する働きをしています。 胆石症は、できる部位や場所によって3種類に分けられます。 具体的には、胆のうにできる胆のう結石、消化液の胆汁が通る胆管にできる総胆管結石、そして肝臓の中にある胆管にできる肝内結石(肝内胆管結石)があります。 このうち最も多く見られるのは胆のう結石です。 胆石を構成している成分も、コレステロール、役目を終えた赤血球が壊れる際にできるビリルビンという成分、カルシウム物質などが様々な種類があります。 胆石症は、食事の欧米化が進み、高脂肪でコレステロールを多く含んだ食べ物を多く摂取する、あるいは食物繊維量の不足、不規則な食生活などが形成される原因と考えられます。 ■胆石症になりやすい人の特徴 胆石症を起こしやすい要素として、それぞれの頭文字をとって、「5F」と呼ばれるものがあります。 一つ目は、40歳代(Forty)、二つ目は女性(Female)、三つ目は肥満(Fatty)、四つ目は白色人種(Fair)、そして五つ目は多産婦(Fecund)という項目です。 それ以外にも、妊娠や急なダイエットなども胆石症を起こしやすくするといわれています。 胆石症はもともとの体質のほか、食物繊維やタンパク質が少なく脂質や糖質が多い食事を摂り過ぎてそれに伴う肥満などとも関連性が考えられております。 胆石のリスク因子としては数々の統計結果より、女性、肥満、急激な減量、妊娠回数の増加などが指摘されています。 特に、女性は40歳代になると、女性ホルモンが減少し、コレステロールの代謝がわるくなり、肥満傾向になり、胆石ができやすくなるといわれております。 胆石は生活習慣と密接に関連しており、胆石発作の予防では過食・暴飲暴食を避けることが第一に重要です。 特に食事面ではコレステロールの制限、脂質の適量摂取、蛋白質・食物繊維の摂取による便秘の改善がキーポイントです。 また、規則的な食生活、胃酸の過剰分泌を引き起こすアルコール飲料や香辛料などの過度の摂取の制限をすることで胆石症を予防することができると考えられています。 ■まとめ 胆石症とは、胆のうや胆管に結石ができたものであり、時に胆石発作と呼ばれる突然の激しい痛みや黄疸、発熱などの症状を呈する病気をいいます。 普段から油の多い食事を頻繁に摂取している人は胆石症が形成されやすく、加齢とともに発症率は高まる傾向にあるため、中高年以上の発症が多く、コレステロール結石は特に中年以降の肥満の女性にできやすいといわれています。 また、妊娠や急なダイエットなども胆石症を起こしやすくすると指摘されていますし、もともとの体質や食物繊維やタンパク質が少なく脂質や糖質が多い食事を摂り過ぎてそれに伴う肥満体形などとも胆石症発症に関与していると言われています。 心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。 今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。 文/甲斐沼孟(医師)
甲斐沼 孟