「我慢」を続けると前頭葉の機能が低下する…老後は夫婦で別行動でもいい根拠
普段の暮らしでもそうです。映画を観たい、演劇を観たい、コンサートに出かけたい、そういうときでも好みが分かれたらどちらかが我慢して相手に合わせる必要はありません。別行動でいいし、そのほうが気兼ねもしなくて済みます。 終わったら待ち合わせて感想を話し合えば楽しい時間になるでしょう。 妻から見て自分を束縛しない夫、あるいは夫から見て自分を仕切らない妻にはお互い、イライラすることもなくなるでしょう。結果として、風通しが良くて話題も絶えない夫婦になれるでしょう。
高齢になってくると、親しい家族との死別を経験します。その悲しみからからなかなか立ち直れず、うつになってしまう人も、ときにはいます。そのようなつらい死別を、どうしたら乗り越えていけるのでしょうか。 親との死別については、子も高齢なこともあり、若くして親を失うときほど大きなショックを受けないと思われがちです。しかし現実は、うつになってしまったような話がたくさんあります。親の死がとてもこたえるという人は、親子関係に対する罪悪感をもっていることが多いようです。不仲だったり、親不孝ばかりしてきたことが罪悪感となって、いざ親が亡くなると喪失感に耐えられなくなってしまうのです。
親の介護を一生懸命やる人も、これまで親に何もしてあげられなかったという引け目があって、そのようにしている部分は大きいようです。 配偶者と死別した際にも、ガクッと落ち込んで一気に老け込んでしまう人がいます。それはその人が、充実した夫婦関係を築いていたという証でもあります。それだけ濃密な人生を生きてきたということであり、その部分を、もっと誇らしく思ってもいいのではないかと思います。 親との別れもそうですが、親しい人との死別を乗り越えるには、そのつらい思いを素直に話せる友人がどれだけいるかということも大事な要素になってきます。ひとりで閉じこもっているだけでなく、時には心を許せる相手にその悲しみを打ち明けることで、心が救われ立ち直っていく力になります。高齢の方は可能であれば、家族以外の気のおけない人間関係を何人かでも保ち続けることが大切です。