「我慢」を続けると前頭葉の機能が低下する…老後は夫婦で別行動でもいい根拠
かなり熟年の夫婦になると、長く苦労をともにしてきたせいもあって、それなりに落ち着いた関係、お互いをいたわり合って穏やかに暮らしているというイメージがありますが、現実には結構、きつい言葉のやり取りや、相手を疎ましく感じることがあるのではないかと思っています。それがごく自然なことだからです。妻は外交的で活発になり、夫は内にこもりながらもまだ男としての意地やプライドが残っているからでしょう。 ただ、こういう刺々しい関係から抜け出すのは簡単です。夫(男性)が、もっと自由に生きればいいのです。
妻は夫が考えるほど妻の役割にはとらわれていません。むしろそこから抜け出せたことをずっと楽しんでいました。ところが夫が家に閉じこもったり自分を頼ってくるようになると、イライラします。男性ホルモンのほうが優勢になって、外交的になるうえ、ときには攻撃的にもなっているからです。 したがって、男性はとにかく閉じこもらないで外に出る、人付き合いでも旅行でも、自分が楽しめる世界を見つけることです。高齢でも動けるうちはなるべく外に出ていきましょう。そして、外に出ることには干渉しないのです。
妻は妻でグループ旅行に出かけ、夫は夫で一人旅に出る。そういう夫婦それぞれの楽しみ方が、熟年夫婦の自然なあり方かもしれません。 ■「家庭内離婚」「仮面夫婦」を続けていると… 「熟年離婚」という言葉がすっかり定着して久しい昨今ですが、そんな離婚の多くは、妻側からの申し出によるものがほとんどです。ある日突然、離婚届を突き付けられて慌てるのは夫のほうです。 仮に元のさやに収まっても、惰性で、いわゆる「家庭内離婚」「仮面夫婦」を続けるとしたら、ストレスが蓄積して、老化に突き進む関係になってしまいます。「我慢」を続けると、前頭葉機能を大幅に低下させます。そんな生活を続けるくらいなら、きちんと別れて、再婚活でもして第二の結婚生活に踏み出すことも選択肢のひとつとして考えたほうがよいのではないでしょうか。人生100年時代であるなら、生涯2回結婚制というのも「アリ」ではないかと思います。