「子どもが部屋に引きこもった」「暴力をふるうように…」そんなときこそ親がすべきこと
子どもが暴力をふるう場合には
思春期は成長ホルモンや性ホルモンの分泌が盛んになるため、イライラしたり攻撃的な衝動が高まったりするお子さんも多いです。 衝動的な怒りから壁に穴を開けたり、物を壊したりといった行為は、不登校であるなしにかかわらず、男の子ではよくあるケースです。女の子の場合でも、物を壊すまでいかないとしても、「イライラして本を床に叩きつけた」などの経験がある人も多いのではないでしょうか。 ですが、暴力となると話は変わってきます。暴力をふるうパターンは、大きく分けると3つほどあります。 1つめは“限界のサイン”。 親にあれこれ口うるさく言われ過ぎたりプレッシャーをかけられたりして、「もう耐えられない!」となったときに思わず手が出てしまうパターンです。 2つめは“願望を通すため”。 1つめと似ていますが、ずっとゲームばかりの子どもを見かねて注意したときなどに、「まだ続けたい」といった意思表示として思わず手を出してしまうパターンです。 3つめは、最初のきっかけが何であれ“慢性的に暴力をふるってしまう”。最初は突発的に手が出てしまったとしても、親が怖気づいて黙る姿を見て「こうすればいいんだ」と味を占めてしまって、継続的に手を出すようになっているケースです。 1つめと2つめのように「つい」という場合は、本人も自分でびっくりして落ち込んでしまったり自分を責めてしまったりすることもあるので、しばらく様子を見てもいいかもしれません。 慢性的になっている場合は本人も「暴力が当たり前」となっている状態ですので、家族だけでの解決はむずかしいこともあります。そのような場合にはとにかく“ひとりで抱え込まない”ことが大切です。 そのような場合にはまず、親側が家を出るなど、物理的に距離を置いてもいいと思います。そして、必要を感じれば、ためらうことなく第三者の助けを借りましょう。まずは自治体の機関を活用することも有効かと思います。 各自治体では不登校や引きこもりの家庭についてある程度把握しており、訪問員や相談員などがさまざまな支援を行っていますので、そういった立場の人に相談することもできます。また、同じく各自治体に設置されているDV相談窓口に連絡する方法もあります(子どもとはいえ暴力をふるうのであれば、それはDVにあたります)。 世間体や人目が気になってためらってしまう人も多いとは思います。しかし度を越した暴力を受けている場合には命の危険を招きかねません。専門知識をもったプロを頼ることが解決への近道になる場合もあるということも、知っておいてください。 次回は、学校に行けない子どもたちがいつも抱えている“葛藤”や、「悩み切る」ことの大切さについてお話ししたいと思います。