2024年もいろいろ大変だった 自動車業界ニュース振り返り(欧州編) EV低迷、関税、価格競争…
関税の混乱
こうした状況の中、同じ欧州の自動車メーカーは、中国製EVの販売増加への対応をめぐって、政府関係者と争っていた。BYDやMGといったメーカーは、主に中国政府からの多額の生産コスト補助のおかげで価格面でライバルを出し抜き、大きな市場シェアを獲得していた。 欧州委員会の解決策は、中国で製造されたすべてのEVに高額の輸入関税を課すというものだった。BYDと吉利汽車にはそれぞれ17%と18.8%の税金が課されたが、MGの親会社である上海汽車には、すでに支払っていた10%に加えて最高税率の35.3%が課された。 中国で事業を展開する欧米の自動車メーカーも影響を受けた。その中には、iX3やミニ・クーパーEVなどを中国で製造しているBMWや、ルノー(ダチア・スプリング)も含まれ、両社とも20.7%の追加関税を課された。 吉利汽車傘下のボルボは、関税を回避する目的もあり、一部のEVの欧州生産を今後さらに増やす計画を発表した。上海に工場を持つテスラは、中国での補助金がライバル企業よりも低いため、7.8%という低い税率で済んだ。 この関税は試験期間を経て11月に承認されたもので、少なくとも5年間は継続される。この措置は欧州の自動車メーカーに公平な競争の場を与えることを目的としているが、業界をリードするいくつかの企業は関税導入に猛反発している。 スコダの販売部門トップであるマーティン・ヤーン氏はAUTOCARの取材に対し、「関税で状況を解決できるとは思わない」と語った。ルノーのCEOであるルカ・デ・メオ氏は、全面的な貿易戦争が勃発する前に、中国の自動車業界と「合意を見つける」べきだとした。 中国は当然のことながら、欧州自動車メーカーの同地域への供給を抑制することで対応しようとしており、その影響はすでに苦戦を強いられているフォルクスワーゲン・グループに現れている。アウディ、ベントレー、ポルシェを擁する同社は、税引き前利益が27億5000万ポンド(約5400億円)減少したと報告し、帳尻を合わせるために「難しい決断」を迫られた。その中には、大幅な雇用削減も含まれている。固定費(電気代や賃金など)の上昇に加え、最大の市場である中国での販売が10%減少したことが同社に大きな打撃を与えた。